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“騒音”だけが問題じゃない!―「いびき」は健康の赤信号

9/3(火) 12:10配信

Medical Note

女性はもちろん、男性も気にしている人が多い「いびき」。昔は「熟睡している証拠」といわれていましたが、家族などから「うるさい」と言われるほどのいびきは睡眠に悪影響を与えるうえ、病気の原因にもなるので注意が必要です。いびきは体からのシグナル。早めに対策をとりましょう。【千葉大学医学部呼吸器内科教授・巽浩一郎/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇パートナーの冷たい視線で受診

パートナーから「いびきがうるさくて眠れないので何とかして」と叱られたという40代男性が治療に訪れました。身長165cm、体重80kgの太め体型。本人に自覚はありませんが、パートナーからは「『グォー』というすごい音で頻繁に目が覚めるので、毎日寝不足だ」と冷たい視線を向けられているそうです。その一方で、このところ夜中に頻繁に呼吸が止まることがあり「死ぬんじゃないか」と心配されてもいる、とおっしゃいます。

◇命に関わる深刻な病気の原因にも

いびきや睡眠中の無呼吸はどうして気をつけなければならないのでしょうか。いびき・無呼吸が繰り返されることにより、狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの心疾患、脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などの脳血管疾患、糖尿病といった突然死や命に関わる疾患を引き起こすことは珍しくないからです。

睡眠中に10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」が1時間に5回以上発生するのが「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。無呼吸のあとは、大抵「ガハー」といった大いびきになります。SASはさまざまな生活習慣病を引き起こしたり、悪化させたりすることが知られています。中でも注目されるのが、脳卒中など深刻な疾患と深く関わっている高血圧です。

呼吸が止まると血圧が高くなるのはなぜでしょう。睡眠中に何度も無呼吸になると、そのたびに体内の酸素が不足します。その影響で全身の血管が収縮し、血圧が上昇するのです。後述する「上気道抵抗症候群」の方も同様のリスクを抱えています。

さらに、SASは不眠、頭痛、だるさ、集中力低下などの症状が出る場合も多く、これが交通事故やうつ症状といった、より重大な問題につながる心配があります。

毎日大きないびきをかくだけなら「単純いびき症」といい、それだけであれば健康に大きな影響はありません。しかし、進行するとSASに移行することもあり、注意が必要です。

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最終更新:9/3(火) 12:10
Medical Note

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