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障害者手帳を笑われ、薬もトイレの個室で飲む ── 私が精神障害を会社に打ち明けない理由。懲戒処分されたケースも

9/4(水) 20:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

精神障害があることを会社に申告せず、いわゆる「クローズ」で働く人たちがいる。同僚の前で薬を飲むことすらできず、いつバレるかと心をすり減らしながら日々を送っている。中には、申告しなかったことを理由に懲戒処分を受けた人も。

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薬を飲むためトイレに駆け込む

「薬を飲むのは、いつもトイレの個室です。何の薬か聞かれても答えられないので」

そう話すのは、東京都内の会社で働くAさん(女性、37)だ。

Aさんは2018年の夏に統合失調症の診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を持っている。最近、新しい会社に転職したばかりだが、前職も今も精神障害があることは会社に伝えず、「クローズ」で就職した。

前職は福祉施設で相談支援員をしていた。職場の誰にも精神障害について打ち明けていなかったため、苦労が絶えなかったという。

ポーチから障害者手帳が見えないか不安に

「ケツ蹴飛ばすぞ」「もう来るな」

上司から強い叱責、パワハラを受けるたびにトイレの個室に駆け込み、安定剤を飲んだ。職場の机で飲めないのは、もし同僚に何の薬かたずねられても答えられないからだ。

障害者手帳や薬を入れている化粧ポーチは、誰かに見られないよう、トイレに置き忘れないよう、常に注意を払っていたという。

メンタルクリニックには月に1度、通院していたが、保険証の履歴から会社に怪しまれないか心配だった。

「手帳持ってる奴が歩いてていいのか」

忘れられないのは今年6月、大阪府警吹田署の千里山交番で巡査が刺され、拳銃を奪われた事件だ。昼休み、いつものように皆でテレビを観ながら昼食をとっていたとき、容疑者が精神障害者保健福祉手帳を所持していたことが報じられた。

「こいつ手帳持ってるんだ。そんな手帳持ってる奴が外を歩いてていいのか」

上司の言葉に、Aさんはただうつむくしかなかったという。また別の日は女性の同僚が、低価格の飲食店が並ぶ「せんべろ」エリアのことを、「いかにも手帳持ってそうな人が歩いてて」と笑いながら話していたこともあった。

「私も手帳持ってるんだけどなって。精神障害者に対する差別や偏見の根深さに、とてもショックでした。福祉の仕事についている人たちですらこの認識なのか、と」(Aさん)

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最終更新:9/5(木) 5:01
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