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金賞より「最高」を 感動追求“イチカシ”の音 市立柏高吹奏楽部 【戦う文化部】

2019/9/4(水) 11:07配信

千葉日報オンライン

 「あと204時間。時間ないよ」。今月7日に開かれる東関東吹奏楽コンクールを控えた夏休みの合奏中、顧問の声が練習室に響いた。全日本高等学校選抜吹奏楽大会7連覇、日本管楽合奏コンテストでは文部科学大臣賞受賞、海外公演にも赴く全国屈指の強豪校、柏市立柏高校吹奏楽部(柏市)。数々の成績を残す名門校だが、目標は金賞ではない。「聴いてくれる人に最高の演奏を」。観客への思いが部員213人の原動力となっている。

 部を統括するのは、創部から40年間以上顧問を務める石田修一総監督(65)。開校と同時に音楽教師として同校に赴任し、吹奏楽部を創部した。わずか14人からのスタートだった。「一つのことにこだわらず歌や踊りなど色んなことをやってきた」と石田総監督。気が付けば200人超えの大所帯になっていた。

 部員たちは吹奏楽コンクールやマーチングなどの大会ごとに、赤組、青組、白組の3チームに分かれて活動している。各大会が終わると、12月に行われる全員での演奏会の練習に切り替える。組分けはいわゆる「選抜」ではない。石田総監督は「1軍、2軍という考えはしない。本人の希望や特性を見て決める。だから、それぞれが結果を出している」と強豪校たるゆえんを熱く語る。

 練習は放課後3時間、休日は7時間半。「美しい音楽は美しい環境から」という理念の下、学校全体の掃除をしてから始めるのが決まりだという。

 全体の基礎合奏後、同一の音や旋律を演奏している楽器ごとに集まり「組み合わせ練習」を行う。一音ずつ音程を確認し、メロディーの表現も統一していく。地道な作業だが、細かな練習が透明感のあるふくよかな“イチカシサウンド”を作り上げている。

 「金賞は取りたい」。3年の赤組部長、飯島琉太さん(17)は間近に迫ったコンクールへ気合十分。一方で「結果よりも一つでも成長できることがあればうれしい」と部としてのステップアップも見据える。

 セクションリーダーを務めるトロンボーンの3年、小室麻季さん(18)は「毎回同じ内容にせず、みんなが楽しくできるように考えている」と練習へのこだわりを見せる。

 指導について「音楽を教えているわけではない」と石田総監督。「音楽を通して社会に貢献できる人間づくりをしている。大人になってから、高校時代に学んだ生き方を思い出してほしい」と部員たちへの思いを語る。指導の成果は「感動してもらえる演奏をしたい」と話す部員たちの姿から垣間見える。演奏を待つ誰かのため、イチカシ吹奏楽部は練習を続けている。

(文化部・溝口文)

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最終更新:2019/9/4(水) 11:07
千葉日報オンライン

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