「これは乳腺炎よ! 油物や乳製品、甘いものを食べたでしょ!? 油で母乳が詰まってたのよ!」
そう語気を強める助産師。
産後の身体に育児疲れ……ヘトヘトになった母親に、助産師はさらに追い討ちをかける。
「母親の食生活で“母乳の質”が決まるんだから。これからは油っこいものと洋菓子厳禁よ!」
疲れ切った母親の前に、産婦人科医と小児科医が現れた。
「その情報、科学的根拠がないんです。油っこいものを食べても、母乳がドロドロになったり味が変わることはありません」
そう話す医師に、母親は戸惑う。
「でも『油っこいものを食べた翌日に乳腺炎になった』って、ママ友も言ってたし…」
医師たちは科学的根拠に基づき、説明を続けた。
「脂肪球は母乳が出る管よりかなり小さいんです。“脂肪がおっぱいに詰まる”ということはありません」
乳腺炎の引き金になるのはあくまで、「赤ちゃんが飲み切れなかった母乳が乳房に大量に溜まる」こと。
医師たちは乳腺炎の原因について、こう分析する。
「油っこいものや甘いものを食べるのって、パーティーなど特別なときが多いですよね?」
「そういった場では、授乳時間が乱れたり、授乳姿勢が悪くなったり、赤ちゃんが緊張して飲みが悪かったり…なんてことも多いはず。そうして母乳がいつもより多く乳房にとどまってしまうのが原因だと考えられます」
「でも私は母親だから…ラクしちゃだめなんじゃないかな…」
まだ不安に思う母親に、医師たちはやさしく語りかける。
「“ラク”と“怠ける”は違います。ラクすることは、心と身体を休めること。ストレスを減らすことは乳腺炎対策においても大切なことなんです」
「妊娠出産と、今までお子さんのためにすごく頑張ってきましたね。育児が少しでも“ラク”になるように科学的根拠のある医療知識で、お手伝いさせてください」
乳腺炎には2種類あります。細菌感染によって炎症が起こる「感染性」と、なんらかの原因で乳管が詰まって炎症が起こる「非感染性」です。
細菌感染ではない場合の乳腺炎の原因は、「赤ちゃんの飲む量<母乳の分泌量」になって、乳房内に大量の母乳がとどまること。
助産師などの医療関係者が乳腺炎の原因として「乳製品や脂肪分の多い食事」を挙げることが多いのですが、実はこれに科学的根拠はありません。
あっさりした和食だけを食べていても、脂質や乳製品を多く食べていても、常識の範囲内あれば、乳腺炎のリスクは変わらないでしょう。
最終更新:2019/9/4(水) 19:13
BuzzFeed Japan






















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