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『ラストダンスは私に 岩谷時子物語』著者インタビュー村岡恵理【KEY WORD 3】加山雄三と坂東玉三郎

9/5(木) 11:00配信

本がすき。

「君といつまでも」「男の子 女の子」などの大ヒット作詞家として、また越路吹雪の生涯のマネージャーとして、昭和を駆け抜けた異才の人、岩谷時子。
その生涯を描く渾身のノンフィクションを発表した著者の村岡恵理さんに、『宝塚歌劇』『2足のわらじ』『加山雄三と坂東玉三郎』3つのキーワードで、本にまつわるさまざまなエピソードを伺った。

ともにヒットを連発した加山雄三・岩谷時子の絆は、特別ですね。

「加山雄三さんは、当時映画俳優としても売れっ子、私生活ではヨットを操り、泉のようにメロディが湧いてくる。乗りに乗っていたから、ピアノやギターで口ずさんでいるテープが、岩谷さんのもとに、どんどん送られてくる(笑)。岩谷さんはそれに負けじと格闘する。当時の加山さんは東宝のそれこそ宝物のような存在ですから、評判を傷つけるわけにはいかない。気も使ったはずだし、全霊を傾けて仕事をしたと思います。

それが伝わっていたからこそナベプロが途中で加山さんを今度は安井かずみさんと組ませてみようとしたときに、加山さんは「いや、今後も岩谷さんで」断わられた。当時としては珍しいことです。

岩谷さんのほうも、人気の絶頂にいながら、どこか芸能界について醒めた視点も持っていて、芸能人を超えた自然や宇宙といった大きな視点を持っている加山さんがすごく好きだったみたいです。越路さんも加山さんもそうですが、岩谷さんは「この人が好き」と思うと、とても深いところで結びつく。するとメロディに対して、何か底から湧き上がってくるようなぴったりとした言葉が岩谷さんの中に下りてくる。

愛せるかということが、とても大事。だから、好き嫌いは実ははっきりしていたのかもしれません」

その意味では、越路吹雪の夫でもあった作曲家の内藤法美とは確執がありました。

「大人同士として一緒に仕事していたしお互い認め合うところもあったでしょうけれど、2人は違いすぎました。特に、コーちゃんの愛しかたという意味では。彼女の才能を伸ばしたい岩谷さんと、彼女をひたすら心地よくさせたい内藤さんとでは、合うのは難しかったでしょう」

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最終更新:9/5(木) 11:00
本がすき。

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