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ようやく公表「年金財政検証」 30年後の受給額は約2割減

9/5(木) 12:52配信

THE PAGE

 公表が遅れていた公的年金制度の財政検証がようやく公表されました。実質経済成長率が0.4%という現実的なレベルで推移した場合、2047年に受け取る年金の額は現在との比較で約17%少なくなります。この数字は以前から予想されていたものですが、あらためて公的年金の財政状況が厳しいことを裏付ける結果となりました。

5年に1度の財政検証 内容は前回と大きく変わらず

 公的年金の財政検証は5年に1度行われており、前回の検証は2014年でした。前回の財政検証でも今回と近い結果が得られていましたが、公的年金に対する国民の関心が薄かったことから、一部を除いてあまり話題になっていませんでした。ところが今年の6月に金融庁が「年金だけでは老後資金が2000万円不足する」とした報告書が波紋を呼び、いわゆる年金2000万円問題に発展してしまいました。

 当初、今回の財政検証は6月に公表されるとみられていましたが、7月の参院選を前に、政治問題化を危惧した政府が公表を遅らせたといわれています。年金2000万円問題後としては初の財政検証だったことから、その内容に注目が集まっていました。一部からは「年金が2割近くも減る」と驚きの声が上がっているようですが、内容自体は前回とそれほど大きくは変わっておらず、専門家の間では予想された範囲との声が大半です。

厚生年金適用範囲を拡大か 検証で試算

 もっとも、細かい部分では前回と異なる部分もあります。前回までは、経済成長の前提が楽観的過ぎるとの批判がありましたが、今回は想定される成長率を低めに設定しており、より現実的な数値となっています。予想成長率が下がったにもかかわらず、所得代替率が前回とほぼ同じ水準に収まったのは、ここ5年の間に、国内の就業率が大幅に上昇したからです。

 日本の就業率はすでに先進各国の中でもかなり高い部類に入っており、老若男女問わず、働ける人はほぼすべて働きに出た状態にあります。働いて保険料を納める人が増えた分、年金財政も多少好転し、これが成長率の低下をカバーした図式です。

 このほか検証では、厚生年金の加入者を拡大させるというパターンと、75歳まで厚生年金に加入できるようにするパターンという2つのオプション試算も行っています。この試算を掲載した意味は、パート労働者など、これまで厚生年金の対象にならなかった人も厚生年金に移行する可能性があることや、多くの人が75歳まで働く必要があるということを示唆しているとみてよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:9/5(木) 12:52
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