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結愛ちゃんの最期 「じいじ、ばあばが来てるよ」という母の嘘に「うん」と笑顔を返す【目黒区5歳児虐待死裁判・詳報6】

9/5(木) 11:56配信

ハフポスト日本版

東京都目黒区のアパートで2018年3月、当時5歳だった船戸結愛(ゆあ)ちゃんが亡くなった。

結愛ちゃんが両親から虐待を受けて死亡したとされるこの事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(27)の公判が9月3日に始まった。

119番通報を受け、結愛ちゃんが心肺停止した現場に臨場した消防隊の中隊長は、おむつをはいてあばら骨が浮くほどに痩せた5歳の姿を目にし、その驚きを語った。

証人尋問は2人目に差し掛かり、小児救急医が証言台に立つことになった。

これまで詳細が知られてこなかった結愛ちゃんの最期の10日間

検察官は、小児救命医を証人尋問に呼ぶ前に、結愛ちゃんの最期の状況を証拠と共に説明した。

これまで、事件の経緯は次のような時系列が分かっている。

香川県や東京都などのこれまでの資料からは、結愛ちゃんが亡くなる直前、2月20日ごろから3月2日までの詳細は分からなかった。

検察官は、結愛ちゃんの最期の様子を、優里被告の供述調書をもとに時系列で説明した。

2月20日、入学予定の小学校説明会に姿を見せなかった結愛ちゃん。


家庭内で様子が急激に変わり始めたのは、2月26日ごろのことだった。

優里被告はこのとき、結愛ちゃんの目の周りにアザがあることに気が付く。



翌日の27日には、結愛ちゃんが嘔吐するようになった。この嘔吐は、3日間連続で確認された。



2月28日。結愛ちゃんの体温を測ると、37.1度。平熱より少し高くなっていた。



この日までは、1人で着替えもしていた。歩いて自力でトイレに行くこともできた。



3月1日、嘔吐が収まらない結愛ちゃん。壁に手をつきながら歩く。会話はまだできていた。

腕の皮膚には、赤い点があったという。



亡くなる当日の3月2日。午後1時ごろ、優里被告は結愛ちゃんにパソコンでアニメを見せた。優里被告のひざに体が触れると「痛いよう」と弱々しく話した。



1人で座って、スポーツドリンクを飲み、アメを舐めた。

だんだんとまぶたが重そうになり、まばたきがゆっくりしていった。



もうろうとしてきた結愛ちゃんに、優里被告は「眠いの」と聞く。結愛ちゃんは「寝ない」と返す。



午後4時ごろ、結愛ちゃんはとうとう1人でトイレに行けなくなった。

優里被告は手を引いて、トイレに連れて行った。



午後5時ごろ、手を握る力が弱くなり、結愛ちゃんは手を開いたり閉じたりする「グーパー」ができなくなった。体が冷え始め、温めるために優里被告は結愛ちゃんの足にタオルを巻く。



午後5時半になり、衰弱していく結愛ちゃんを励まそうと、優里被告は嘘を吐いた。結愛ちゃんが懐いていた祖父母の話をする。



「ばあば、じいじが来てるよ」「ディズニーランドに行こう」と話しかける。結愛ちゃんが「うん」とかすかに笑う。



「小学校に行ったら、楽しいことしよう」と言うと、また「うん」と笑顔を返した。



10分ほどして、結愛ちゃんは苦しそうな様子になり「お腹が痛い、お腹が痛い」と繰り返した。

飲んでいたスポーツドリンクを吐き出し、そのまままぶたを閉じて、開かなくなった。



それから15分後、午後5時55分に、父親の雄大被告が119番通報をした。

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最終更新:9/5(木) 20:38
ハフポスト日本版

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