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「幼稚園バス」なぜシートベルトの装備なしでOK? 園児を事故の危険から守る対策とは

9/5(木) 7:10配信

くるまのニュース

幼稚園バスの安全装備はどうなっている?

 幼稚園に子どもを送迎するために使われる幼児専用車(以下、幼稚園バス)には、現在、シートベルトやチャイルドシートの装備が義務付けられていません。

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 2008年の道路交通法改正で、運転者は自身を含むすべての同乗者にシートベルトを装着させることが義務づけられたのに、なぜ幼稚園バスではシートベルトを装備しなくて良いのでしょうか。

 幼稚園バスとは、幼稚園や保育園の送迎などに使われる子ども専用のバスのことで、道路交通法に定める通学通園バスの保安基準に従って製造されています。

 車両には「幼児バス」「スクールバス」などと書かれた黄色い三角形のマークが付けられており、近くを通るクルマのドライバーは、子どもの飛び出しなどがないかなど、徐行して安全を確かめなくてはなりません。

 これらの幼稚園バスには、シートベルトの装備が義務付けられていないのですが、その理由は以下の通りです。

・幼児自らベルトの着脱が難しいため、緊急時の脱出が困難
・幼児の体格は年齢によってさまざまであり、一定の座席ベルトの設定が困難
・同乗者(幼稚園教諭等)の着脱補助作業が発生する

 国土交通省の調査によると、「幼児専用車の事故発生率はバス・マイクロバスの半分程度であり、保有台数あたりの死傷者数は、1/10程度。事故分析の対象とした平成15年から平成20年の期間における死亡者はなく、重傷者も4名となっており、ほとんどが軽傷であった」という結果が出ているといいます。

 つまり、幼稚園バスは事故に遭う確率が少なく、死傷者の発生も少ないのでベルトは不要という考えです。

 平成25年には、幼稚園バスの座席に対する安全対策として、具体的なガイドラインが発表されています(あくまでも「ガイドライン」であって義務付けられているわけではありません)。

・シートバックの後面に緩衝材を装備→事故時の衝撃を吸収することが目的
・シートバックの高さを現状より100mm程度アップ→衝突時に幼児の頭を緩衝材のあるシートバックで受け止めるようにすることが主な目的

 幼稚園バスに乗る子どもたちはベルトなどで体を固定していないため、前の座席の背もたれや、前の座席に座る子どもの後頭部に頭をぶつけてケガをするケースが多いといいます。

 そのため、事故の際の衝撃を和らげるために緩衝材を取り付け、シートバック(背もたれ)を高くするなどして衝撃を緩和することがガイドラインの主な目的です。

 なお、このガイドラインには「将来に向けての課題」として、「今後、自動車製作者等は、使用実態に十分配慮しつつ、諸課題を解決した座席ベルトを開発し、3年から5年を目途に、適切な座席ベルトの装備を望む使用者が新車を購入時に選択できるようになることを目指すこと」という一文もありました。

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最終更新:9/6(金) 10:09
くるまのニュース

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