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AI、ドローン、VR…森林火災の予防や発生後の対応支える最新技術

9/7(土) 10:08配信

The Telegraph

【記者:Olivia Rudgard, Margi Murphy】
 先月、南米アマゾンの熱帯雨林が燃える様子が世界中で繰り返し伝えられた。ブラジル政府は支援を拒否し、ジャイル・ボルソナロ大統領がこの惨事の責任を問われている。

 しかし、最新のテクノロジーを利用して、森林火災の発生防止や対処に効果的に取り組んでいる自治体もある。

■人工知能(AI)で森林を地図化

 予防は治療よりも望ましい。コンピューター技術の革新によってより安価な機材を購入できるようになり、アマゾン・ウェブ・サービスや米マイクロソフト、米グーグルなどが提供するクラウドサービスを利用して処理能力を上げることで、森林地図の作製技術が大幅に改善した。

 米サンフランシスコに拠点を置く衛星画像サービス企業「シルビアテッラ」は、米国の植生に関する高解像度のデジタル目録を初めて作成した。これを利用すれば、木材業者などの土地所有者が木の伐採を行う場所を特定できる他、環境保護団体が森林火災を検証したり政府が森林伐採を規制したりすることもできる。

 現在は地形や植生、さらには気象データを結びつけて最もリスクが高い地域を特定できるようになった。林業に従事する人や政府は伐開のために野焼きが必要な際、どこから始めればよいか把握できるようにもなっている。

 こうしたデータをまとめ、有益なパターンを見つけ出す複雑なアルゴリズムを適用できるようになったのは、ここ数年のことだ。

 マイクロソフトで「AI for Earth(地球のためのAI)」プロジェクトのマネジャーを務めるボニー・レイ氏は、環境保護団体と連携して仕事をしている。「何が起きているのかを継続的に監視することは非常に重要だ。そうすれば、手遅れになる前に火災などの災害を防いだり食い止めたりできる」

 最も重要なのはスピードだ。安価なクラウドコンピューティングのおかげで、初動対応者や科学者らがセンサーや衛星、ドローンから回収したデータを迅速に分析して即座に対応できるようになるまで、あと一歩のところまで来ている。

■上空からの支援

 遠隔地で発生した自然災害に対処する際のもう一つの問題は、インターネットにアクセスしにくいことだ。消防士や他の緊急サービスは連絡を取り合ったり、同僚らの安否を確認したりするのに苦労している。また、大気の組成などを監視する場合、遠隔地にあるセンサーからデータを回収するのも困難だ。

 米シリコンバレーの小型衛星専門企業「スウォーム・テクノロジーズ」は、このような遠隔地への接続を向上させようとしている。

 同社は現在、東アフリカでの太陽光センサーを使った給水監視や米カリフォルニア州での渇水防止事業参入などを行っている開発企業「スイートセンス」と連携して事業を進めている。同様のセンサーは将来、大気組成の悪化を検知できるよう、森林火災が発生しやすい場所に設置される可能性がある。

 森林火災の消火活動は、世界で最も危険な仕事の一つだ。米消防庁によると、1990~2017年の間、低木地域や原野、森林などで発生した火災の消火活動中、消防士485人が死亡した。

 そこで、大規模な森林火災の消火活動中にはぐれてしまった消防士を見つけるため、ドローンが配備されるようになった。ドローンを使えば、炎に行く手を阻まれた被災者を見つけたり、すぐに救出できないときには救命用品を落としたりすることもできる。熱センサーは最も火の手が強いホットスポットを特定できる上、火災の状況の変化を監視することもできる。

 ドローンはまた、電線の損傷を発見することで火災を未然に防ぐこともできる。電線の損傷はカリフォルニア州で発生する森林火災の最大の要因の一つだ。公共事業を手掛ける「サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック」は電線やガス管の点検にドローンを使っている。

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最終更新:9/7(土) 10:08
The Telegraph

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