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日本のプルトニウム大量保有、世界が疑問視している 著名物理学者の警告

9/8(日) 12:03配信

GLOBE+

日本が原発の使用済み核燃料から取り出して保有するプルトニウムの量は、現在、国内外で約46トンに上る。核兵器の材料にもなるプルトニウムの大量保有には国内外に懸念の声が出ており、日本政府は昨年、初めて保有量の削減を目指す新しい指針を発表した。ただ、日本の原子力政策に詳しい米国の物理学者でプリンストン大学名誉教授のフランク・フォンヒッペル博士(81)は、指針の実現可能性に疑問を呈する。(聞き手・構成=渡辺志帆)

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――昨年、日本の原子力委員会が打ち出したプルトニウムの削減方針に疑問があるそうですね。

日本の決定は、米国が、日本が核兵器に利用できるプルトニウムを大量に保有していることに懸念を表明したことに対応したものだ。だが原子力委員会は、青森県で建設中の日本原燃の六ケ所再処理工場が2022年に運転を始めた後、この指針をどう実現するつもりなのか、具体的に説明していない。

 計画では、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを、混合酸化物(MOX)燃料にして再び原発で使うというものだ。だが、現在、日本国内で稼働中の原発9基のうち、MOX燃料の利用が許されている原子炉は4基。プルトニウムの消費能力は全部合わせても年間で最大2トン程度だろう。1997年に発表された元の計画は2010年までに16~18基でMOX燃料を導入予定だったから、消費できる量は大幅に少ない。にもかからず、前述の六ケ所再処理工場が25年にフル稼働すれば、年間7トンのプルトニウムが新たに取り出されることになる。

――プルトニウムを減らせないと、どんな問題があるのでしょうか。

日本はプルトニウムを再処理して分離している唯一の非核保有国だ。保有量46トンは、中国が軍事用に持っていると推定される量の10倍以上。核兵器の数に換算すると数千発分に相当する。個人的には、プルトニウムを平和裏に50年以上保有してきた日本が、核武装する意図を持っているとは思っていない。だが、中国はおそらく、より懐疑的だ。一方で、プルトニウムを保有することで、「必要に迫られれば、不本意ながら、短期間で核武装できる」という選択肢を他国に示したいと考える人たちが日本にいることも事実だ。

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最終更新:9/9(月) 15:55
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