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コンプレックスだらけの私の前に現れた「3高男」の40年後

9/9(月) 12:00配信

婦人公論.jp

シニアと呼ばれる年齢に差しかかり、それまで歩んできた道のりを振り返ってみると、こんなはずじゃなかったのに、という思いがこみ上げてきます。鈴木恵子さん(仮名)は、長身、エリート、美形という、理想の男性と結婚しましたが……(「読者体験手記」より)

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◆夢見た理想が現実になった

出会った頃の夫は、完璧な人だった。超のつく一流企業で、出世街道を歩むエリート社員。スラリとした長身に、彫りの深い美しい顔立ち。誠実で思いやりがあり、私のことを大切にしてくれた。いつか輝くほどの美貌の男性と恋に落ち、結婚したいという夢は「生涯ありえないに決まっている」と思っていたのだが、突然現れ声を掛けてくれたのが、夫だったのだ。

私のほうは、欠点だらけの人間だった。特にエラの張った四角い顔に強い劣等感があり、そのせいか美しい人に対する憧れは人一倍。本来なら釣り合いが取れるのは醜い男性で、そういう相手と一緒になるべきだろうが、どんなに優秀で性格がよくても、不細工な男性に対して拒絶反応があった。

出会いから半年も経たないうちに私たちは結婚した。しかし理想の夫を得て、幸せ絶頂の私に母はこう言った。「よくわからない相手と簡単に結婚するのは、間違っている。私には、あの人はけっこう我が強く、心が狭い人に見えるよ。本当はもっと包容力のある大人の男がよかったのに」。その言葉は人生の真理をついていたが、当時、世間知らずの若い娘でしかなかった私には、夫以上のパートナーなど考えられなかった。

ところが新婚旅行中に殴られたのをはじめ、ひとつ屋根の下で一緒に暮らしてみると、相手の欠点が次々見えてきた。夫は些細なことにも目くじらを立てる神経質な性格で、人が怒らないことでもすぐ怒る。不機嫌になると暴力をふるい暴言を吐く。機嫌のいいときには、私や私の家族をこき下ろしながら笑う。私は実家に帰るたび、母や姉の前で泣いてばかりいた。

しかしどんなに惨めで暗い毎日を送っていても、誰も助けてはくれなかった。味方になってくれる人も、支えてくれる人もいない。生きるということは、長い人生を一人で闘いながら、進んでいくということなのだ。

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最終更新:9/9(月) 13:12
婦人公論.jp

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