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「HPVワクチンのせい」として深刻な問題を見逃す恐れも 原因究明だけにこだわるのは危険

9/9(月) 11:03配信

BuzzFeed Japan

HPVワクチン接種後に体調不良を訴える女の子を診てきた北海道大学病院「HPV副反応支援センター」の児童精神科医、柳生一自(かずより)さん。

日本産科婦人科学会の勉強会で行った講演詳報の第2弾は、原因究明にこだわる危険性について伝えます。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

症状を長引かせる要因は? 親の治療拒否、ドクターショッピング......

検査や身体の診察で原因が明らかにならない「機能性の症状」に対して、その後の治りにくさ(予後)とその要因(予後因子)を調べた研究がなかなかないのですが、症例のシリーズ検討があります。

23人の機能性腹痛を調べた研究です。検査をしたが、異常は見当たらなくて、おそらく心理的なストレスだとか、家族の背景があってそういうことが起きているんじゃないかと、治りにくさの原因を調べています。1年以上症状が続いている人たちですから、それなりに大変な方ですね。

まず一つ目のリスク要因としては、「親の心理的な治療拒否」が挙げられました。これはよくあることかなと思います。

次に、いわゆる「ドクターショッピング」ですね。3か所以上の医療機関を渡り歩く人は症状が持続する。

それから、家族が医療機関に対して「操作的な訴え」をすることも挙げられています。要するに、その場その場で親や家族が、自分たちが作り上げたストーリーを訴えるということですね。それから、心理社会的な洞察力が欠如しているということが、ハイリスクな因子として挙げられていました。

また、長期の見通しとして、子どもの頃に機能性の身体症状がある人は、成人になってからの機能性の身体症状だけでなくて、うつや不安症など精神科の合併症を起こしやすいということはいくつか報告されています。

医療機関の対応、家族の不仲も長引かせる要因に

「身体症状症」を考えた時に、色々な原因、要素が絡んできます。

もともとその子が持っている性格、不安が強いということもあると思いますし、親御さんが子供のストレスを十分に受け止めきれない、不安になりやすい場合、あるいはうつなどの精神疾患があったりするとリスクも高まります。

そういったことが色々重なり合って機能性の身体症状が出て、そこにさらに急性のストレス因子が重なると大変です。学校でいじめられたとか怪我をしたというようなことがあると、身体症状症がよりはっきりと出てくると思います。

症状を長引かせる要因として、繰り返し検査をしてしまう医療機関側の問題もあると思います。ああでもない、こうでもないと色々な病気の説明が行われたことも影響を与えているでしょう。

家族の関係も問題になることがあります。家庭内の不和がこういった症状を維持する因子になったりします。子供自身がうつや不安症が強いことで持続することもあります。

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最終更新:9/9(月) 11:03
BuzzFeed Japan

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