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“好調”スイーツ市場の影で洋菓子店の倒産急増、なぜ 「コンビニスイーツ」台頭も一因

9/9(月) 8:40配信

帝国データバンク

「街のケーキ屋さん」で倒産が急増、過去最多を更新する勢い

 洋菓子店の倒産が目立っている。帝国データバンクの調べでは、いわゆる「街のケーキ屋さん」などの洋菓子店の倒産が2019年8月までに30件発生。2000年以降で最も多く発生した2018年の同時期(25件)を上回るハイペースで推移しており、通年で最多を更新する可能性も出てきた。

 特に多い経営破たんは地元の有名店。「至高のモンブラン」など高い知名度の看板商品を有していたモンブラン(兵庫)、「ユカたん」や「レモンケーキ」などのヒット商品を抱えたニシムラフアミリー(北海道)など、地元で愛されてきた洋菓子店のケースが目立つ。国内では男女問わずスイーツ人気が定着し、追い風が吹いているように見える洋菓子店。それにも関わらず苦境に陥る背景には、「コンビニスイーツ」に代表される顧客の購買パターンやチャネルの変化などが要因となっているようだ。

洋菓子店の経営を取り巻く「三重苦」、有名店でも生き残りが難しい時代に

 洋菓子店で倒産が多発する要因は、3つの共通点に整理できる。1つ目は消費志向の変化だ。例えば、「クリスマスケーキで1年分の利益を稼ぐ」とも言われるケーキへの支出。総務省家計調査によれば、2009年におけるケーキへの支出額を100とすると、2018年は91.1となり、10年間で8.9ポイントも下落した。節約志向で消費が伸び悩む中でも、洋菓子合計では101.6と堅調に推移しているのに比べ、ケーキへの支出減少は相対的に目立つ。

 2つ目は客足の変化。富士経済によれば、2017年のスイーツ市場全体のうち、専門店などが占めるスイーツショップの市場規模は前年比1.1%減少したのに対し、量販店やコンビニなどが占めるホールセールの市場規模は0.7%増加した。特に、コンビニ各社は洋菓子店より安価で高品質なスイーツを揃え、「プチ贅沢」需要を狙った高価格帯商品も人気だ。また有名ブランドや人気パティシエとのコラボなど、マーケティングにも余念がない。その結果、専門店よりも安価で気軽に購入可能なコンビニなどの量販店に客足がシフト。客足に変化が起きたことで、拡大するスイーツ需要を取り込めていない点もネックだ。

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最終更新:9/9(月) 9:53
帝国データバンク

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