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台風15号首都圏直撃から考える 海抜ゼロメートル地帯・江戸川区の水害対策への「本気度」

9/9(月) 17:30配信

アーバン ライフ メトロ

区域の大半がゼロメートル地帯の江戸川区

 2019年8月末、福岡県・佐賀県・長崎県を中心に発生した集中豪雨は、観測史上最大の降雨量を記録。約37万世帯・88万人に避難指示が発令された大水害になりました。被災地では、現在も復旧作業が続けられています。

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 九州水害の傷跡が癒えぬ間もなく、台風15号が9月8日(日)から9日(月)にかけて首都圏を直撃。被害を最小限に食い止めるべく、地方自治体や交通機関は前日から対策に追われました。

 遡ること約半世紀、1947(昭和22)年9月8日に台風が東京を直撃しています。死者1000人以上を出した台風は、後に「カスリーン台風」として災害史に記録されています。

 カスリーン台風を教訓に、政府をはじめ地方自治体は水害への対策を強化。その中でも、特に水害への警戒を怠らないのが江戸川区です。

 区域の大半が海抜ゼロメートル地帯になっている江戸川区は、洪水が起きやすい環境にあります。そのため、東京都や国土交通省などとも連携して堤防を建設しています。

 なにより、江戸川区には江戸川のほか荒川、新中川といった大きな河川があり、区民の生活は常に水害と隣り合わせです。水害が発生すれば、多くの家屋は浸水。江戸川区は浸水被害が起きてから日常生活に戻るまでに、約2週間が必要と試算しています。

 また、江戸川区がどんなに万全な水害対策を講じても、これらの大きな河川は埼玉県や千葉県、茨城県などにつながっているので、流れてくる水や土砂で被害が拡大する可能性もあります。

区内各所に土嚢ステーションを設置

 こうした河川の氾濫による水害は、2種類に大別できます。ひとつが内水氾濫、もうひとつが外水氾濫です。

 東京都は道路やビルが多く、コンクリートやアスファルトに覆われている地面が多くを占めます。短時間で大量の雨が降ると処理能力を超えてしまい、排水路から雨水が噴出する現象が起こります。これが、内水氾濫です。

 もうひとつの外水氾濫は、雨によって河川の水位が上昇して堤防が決壊するような水害をいいます。内水氾濫も外水氾濫も、海抜ゼロメートル地帯の江戸川区にとって悩ましい災害です。外水氾濫は広範囲かつ大きな被害を出すので、特に対策を必要とします。

 江戸川区は、常に内水氾濫・外水氾濫への注意喚起・啓発、備えを怠りません。例えば、2009(平成21)年に荒川の水位をリアルタイムで表示する荒川河川水位表示塔を区役所前に建立。水害への意識を高めました。

 また、江戸川区は水害に備えて区内各所に土嚢ステーションを設置。洪水が起きた際、一般の区民が自宅などを守るために土嚢を活用できるようにしています。

 とはいえ、大きな水害が起きれば、個人の力では対処できません。そうした状況も想定し、江戸川区は水害が発生した際のハザードマップを作成。

 しかし、区面積の7割がゼロメートル地帯にある江戸川区は、大水害が起きたら約70万人の区民全員を無事に避難させられる場所を確保できません。

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最終更新:9/9(月) 19:16
アーバン ライフ メトロ

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