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火星の衛星で採取するサンプルに”火星由来の微生物”が存在する可能性は?

9/9(月) 22:29配信

sorae 宇宙へのポータルサイト

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月6日、火星の衛星「フォボス」「ダイモス」を対象とした探査ミッションにおける微生物汚染評価の研究に関する発表を行いました。

研究はJAXAをはじめ、千葉工業大学、東京工業大学、東京大学、東京薬科大学が共同で取り組んでいます。研究内容は2本の論文にまとめられ、7月10日/17日付のLife Sciences in Space Research電子版に掲載されました。

■宇宙探査では微生物汚染への対策が必要

探査機を使った天体の探査では、機体に付着した微生物による汚染のリスクがあります。たとえば、地球の微生物が付着した探査機が火星に着陸した場合、地球産の微生物が火星で繁殖してしまう可能性が捨てきれません。

その結果、火星における生命探査で地球由来の微生物が誤って検出されてしまうことがあるかもしれませんし、各地で問題になっている外来生物のように火星本来の生命を駆逐してしまうことさえ考えられます。こうしたリスクを排除するため、火星に降り立つ探査機には高温で滅菌処理を施すなどの対策が取られています。

そのいっぽうで、他の天体の微生物によって地球が汚染されるリスクもあります。たとえばNASAのアポロ計画では、月面に降り立った宇宙飛行士たちが未知の微生物によって汚染されている可能性を考慮して、地球への帰還後に3週間ほどの隔離措置が取られました(アポロ14号まで)。

現在の宇宙探査では、こうした微生物の持ち込みや持ち帰りによる汚染のリスクを回避するために、国際宇宙空間研究委員会(COSPAR)が定めた惑星保護方針を遵守する必要があります。小惑星「リュウグウ」から2度目のサンプル採取を終え、帰還に備えたミッションを進めているJAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」も、この方針を遵守しています。

もっともリュウグウの場合は生命が存在するにはあまりにも過酷な環境ということもあり、サンプルに培養可能な微生物の含まれる確率は100万分の1以下(国際基準に照らせば実質的にゼロリスク)とされています。来年末に持ち帰られる予定のサンプルに生物が含まれていることはないでしょう。

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最終更新:9/9(月) 22:29
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