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「乳幼児揺さぶり」 虐待か冤罪か 無罪、不起訴相次ぐ 見直しの声

9/10(火) 18:12配信

47NEWS

 乳児の頭を揺さぶり、虐待した疑いで逮捕―。時折ニュースで目にする、揺さぶりによる虐待事件。赤ちゃんの頭を激しく揺さぶると頭部の血管が切れ、深刻なダメージを受けるとする「乳幼児揺さぶられ症候群(Shaken Baby Syndrome=SBS)」理論を支えにしている。実はこの理論、欧米では「科学的根拠がない」として見直しを求める動きがあり、日本でも近年、弁護士や研究者から疑問の声が上がっているのだ。

(共同通信・大阪社会部=武田惇志、広山哲男)

 

  ▽虐待と疑われて 

 大阪府のかずみさん(39)=仮名=は、長男が転んでけがをしたことをきっかけに、平凡な暮らしが一転。SBSによる虐待を疑われて逮捕された末、不起訴になった。

 かずみさんは語る。2017年8月夕方、台所へ寄って目を離した際、つかまり立ちをしていた生後7カ月の長男が後ろに転んで頭を打った。抱き上げると大声で泣き出し、突然意識がなくなった。手術して一命はとりとめたが、1週間弱、目覚めなかった。2日前からつかまり立ちを始めたばかりだった。

 虐待の疑いがあるとされ、病院が児童相談所に通告。職員には「転んだだけではこうならない」と言われ、長男は乳児院で一時保護されることになった。大阪府警の任意捜査も始まった。そこでかずみさんが脳神経外科医に鑑定を依頼すると、転倒事故で「医学的には虐待の可能性を否定するのが適切」と診断。府警に結果を伝えたものの18年9月、傷害容疑で逮捕された。 

 かずみさんによると、長男は2年弱の不妊治療の末に産まれたが、捜査員には「(出産が)ゴールと思って虐待する親もいる」と決めつけられ、罵倒されたという。弁護士に尋ねた家族の様子を思い浮かべ、つらい取り調べを乗り切った。 

 結局、昨年12月末に不起訴となったが、かずみさんは「息子のけがだけでもつらいのに、取り調べでは虐待と決めつけられ、耳を傾けてくれなかった」と憤りを隠せない。

 長男は現在、すでに退院しており、両親とリハビリに励んでいる。

 

 ▽100件以上 

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最終更新:9/13(金) 11:35
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