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《論説》防災 「自助」の意識を高めよう

9/10(火) 18:00配信

茨城新聞クロスアイ

関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、常総市が大水害に見舞われた「常総水害」から、きょうで4年がたった。この水害では同市内で災害関連死12人を含む14人が亡くなり、住宅5千棟以上が全半壊し、市民生活に甚大な被害を出した。先月下旬には九州北部で豪雨による大きな被害が出たばかりだ。本県は比較的自然災害の少ない地域と言われてきたが、災害はいつ、どこで起こるか分からない。特に近年の異常とも思える豪雨に備えるためには「自分の身は自分で守る」という意識を高め、被害をできる限り抑えたい。

災害発生時には会員制交流サイト(SNS)などによるニセ情報の拡散も要注意だ。行政には正確な情報を迅速に発信してもらいたい。特に気象台ばかりでなく県や市町村、警察などが入手した情報を一元的に管理して発信する体制整備が不可欠だ。情報の混乱は、避難や救出・救助活動の遅延を招きかねない。被害を最小限にするためにも公的機関の密な連携が必要だ。

水戸地方気象台は「自分が住んでいる場所のハザードマップ(被害予測地図)をまず知っておくこと。気象台が出す注意報や警報を見て早めに行動すること」と指摘する。大規模な災害が発生するたびに県は「県地域防災計画」を改定。国も避難勧告のガイドラインを見直すなどしてきた。その中で強調されているのは、まずは自分の身は自分で守るという「自助」の重要性だ。

常総水害での経験から県は「自分のリスクを認識し、自分の取るべき行動、逃げるタイミングを知ってもらう」ことの必要性を踏まえ、住民自身が洪水時に特に注意が必要な箇所を知るため、県内15河川を対象にした水害危険度マップを公表。いつ、どこへ、どの経路で逃げるのかを住民自身が日頃から認識するための個人単位の避難行動計画「マイ・タイムライン」の作成にも乗り出している。

国も防災情報を5段階の警戒レベルで発令することで避難のタイミングを明確化した。

大規模災害への対応では、避難の在り方とともに、被災住民が迅速に生活を再建するための支援体制をいかに整えるかも重要だ。仮設住宅への入居や生活支援金を受けるために必要な罹災(りさい)証明書をいち早く発行するため、県と市町村は統一したシステムを整備。避難所の運営や物資の支援など初動対応をスムーズに行えるよう、災害対応の経験がある県と市町村の職員による支援チームも結成した。

ただ、避難勧告が出ても住民自身が避難しなければ意味はない。勧告が出たらためらうことなく避難したい。国や県も早めの発令を心掛けたい。巨大な台風や常態化する集中豪雨などでの被害発生時には、地域や近隣住民同士の助け合いや公的機関の援助も重要だが、まずは身を守るのは自分自身であるとの自覚と備えを持って、気象情報や災害情報を注意深く見守る必要がある。

忘れてならないのは、常に災害と隣り合わせで暮らしているということだ。水害だけではない。巨大地震への備えも必要だ。「東日本大震災」からあすで8年半がたつ。県内でも24人が亡くなり、いまも1人が行方不明のままだ。

この地震では多くの生活基盤が破壊され、社会インフラも壊滅的な打撃を受けた。その記憶を風化させず、備えに生かしたい。

茨城新聞社

最終更新:9/10(火) 18:06
茨城新聞クロスアイ

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