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《ブラジル》アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(14)=起死回生の森林農法

9/10(火) 6:23配信

ニッケイ新聞

 「ここが舗装されていないので車の故障や事故も多い。パラー州政府は今年度の予算に組み込んでいると言いますが、動きはないですね」。車で第二トメアスー移住地に向かう途中、運転する林さんからそう説明された。
 第二トメアスー移住地への道は土がむき出しだ。アマゾン移民90周年、第二トメアスー移住地が建設され50年以上経つが、一度も舗装されたことがない。ガタガタと揺れて砂埃が舞うと後ろを走る車の視界を奪うので、事故が多いのも頷ける。
 同地には今も日系人が14家族住んでおり、毎日未舗装の道を車で走りトメアスーの中心地に出て行くという。もちろん、この道が舗装されて喜ぶのは日系人だけではない。東へ続く道はパラゴミナスという町に繋がっており、舗装されると行き来し易くなる。さらにJICAの旧熱帯農事試験場だった場所に、現在EMBRAPA(農牧研究公社)がアブラヤシの苗の母樹園や試験場を計画している。
 7月末時点で、同地の道路に舗装工事が始まる様子は見えなかった。乾季の今のうちに初めておかなければ、12月からは雨季になる。舗装は急務だ。
 林さんは、「一度雨季の直前に工事を始めて、舗装が中断されて莫大な金額が水の泡になった。予算に組み込まれているのであれば、早く始めてほしいですね」と切実な思いを語った。

 ピメンタ景気の黄金時代から一転、1974年の異常降雨によりピメンタに根腐れ病が蔓延し、移住地の経済に大打撃を与えた。収穫の減産が続き、再び移住地を地獄へ突き落した。そのショックからから立ち直らせたのが、アグロフォレストリー(森林農法)だ。
 アグロフォレストリーは、複数の作物を重層的に一つの畑に植えることで、自然に近い環境を残しながら生産する。アマゾン生態系と共存しながら農業が行えるわけだ。当時のトメアスー総合農業協同組合(CAMTA)理事で東京農業大学出身の故・坂口陞(のぼる)さんらが、インディオの庭の植生を参考にして考え出し、商品作物に適応したと言われる。

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最終更新:9/10(火) 6:23
ニッケイ新聞

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