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電気機器向けアルミ箔市場、主力のコンデンサー向け減速続く

9/10(火) 6:04配信

鉄鋼新聞

 電気機器向けアルミ箔市場が力強さを欠いている。リチウムイオン電池向けは、民生向けの一部に荷動き鈍化の兆候があるものの、車載向けがリチウムイオン電池を搭載する車種の増加を受けて底堅い動きを示している。しかしながら主力の電解コンデンサー向けは、米中貿易摩擦や中国景気の停滞などによる半導体需要の減速を背景に出荷量が大きく減少。先行きの需要回復時期も見えていないのが実情だ。

 日本アルミニウム協会によると、19年1~7月の電気機械器具向けアルミ箔出荷量は3万638トンとなり、前年同期比10・4%減にとどまった。産業用アルミ箔はコンデンサー向けとリチウムイオン電池向けがそれぞれ4割超を占めているが、このうちコンデンサー向け出荷は前年同期に比べて5千トンほど少ない1万4770トン(同23・4%減)にとどまった。3月からは5カ月連続で2桁減を記録しており、直近7月は34%減という水準だった。
 この弱い動きについて、アルミ箔大手幹部は「中国景気の減速による半導体需要の減少が背景にある」と指摘。米中貿易摩擦が激化して以降、最終需要家の投資機運が減退しており、それが電子部品需要の落ち込みにつながっているというものだ。現在、最終需要家までの各段階で在庫調整に入っているもようで「コンデンサー箔の需要回復には時間が掛かりそうだ」(同)という声が上がっている。
 コンデンサー向けが振るわない一方で、リチウムイオン電池向けは底堅さを維持している。国内のリチウムイオン電池市場で現在主流とされている民生品向けは、スマートフォン向けが減速しているほか各種設備機器向けもメーカーによって濃淡が出ている。しかしながら車載向け電池箔はリチウムイオン電池搭載車種、台数の増加を受けて、需要は拡大基調にある。正極材や外装材ともに市場は広がっており、1~7月の出荷量は1万2199トン(前年同期実績は非公表なため比較できず)まで増加。7月にはこれまで産業機器用途でシェアトップだったコンデンサー向けを上回った。今後も「車載向けは拡大を続ける」(同)と強気の見方が示されている。
 足元では両極端な動きを示す産業機器向けアルミ箔の2大需要先。今後のコンデンサー需要の早期立ち上がりに期待が集まっている。

最終更新:9/10(火) 6:04
鉄鋼新聞

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