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軽3位の「タント」、首位浮上へ開発者が投げた“ど真ん中”勝負

9/10(火) 9:44配信

ニュースイッチ

ダイハツらしい良品廉価、全方位で進化させた

【車両開発本部製品企画部 チーフエンジニア 田代正俊氏】

 タントは軽自動車で最も売れているスーパーハイト系というカテゴリーを2003年に生み出した車種。今回は4代目になる。新開発した車両プラットフォーム「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用し、乗り心地、操縦安定性、使い勝手の良さ、先進安全装備など、従来はやりたくてもできなかったことをすべて実現した。

 DNGAでは高張力鋼板(ハイテン材)を使った車台、エンジン、無段変速機(CVT)のいずれも刷新し、車両は剛性を高めつつ、80キログラム軽量化した。

 剛性が高まり、サスペンションの配置を優先的に設計できたことで、急なハンドル操作でも安定した、フラット感のある走行が可能になった。タイヤの上にある後部座席でも揺れが少なく、疲れにくい乗り心地を実現した。

 使い勝手の良さでは、後方に540ミリメートルスライドする運転席、半ドア時に自動で閉じる助手席ドア、車に近づくと自動で開くスライドドアなどを初めて搭載した。従来のスライドドアにこれらの機能が加わって、室内移動がしやすくなり、歩道側から、より安全に乗り降りできる。

 先進安全装備は、駐車時のハンドル操作支援、対向車に対するハイビームの自動遮光、先行車との距離を保つ追従走行といった新しい五つの運転支援機能と、従来の予防安全機能を合わせて計15機能とし「次世代スマートアシスト」と名付けた。使い勝手の向上やアシスト機能の追加で増えた車内データ通信量には、DNGAで採用した新しい電子制御ユニット(ECU)で対応している。

 スーパーハイト系カテゴリーは、いまや軽自動車の「ど真ん中」だ。ユーザー層も若年、子育て世代、シニアまで広がった。新型タントも全世代に乗ってもらえる「新時代のライフパートナー」として、基本性能から先進技術まで全方位で進化させた。先進機能が増え、手に触れる部品はほとんど新しくなったが、従来のタントと同じ価格帯を維持。ダイハツらしい良品廉価の1台になった。

<記者の目>
 タントは2018年度の軽自動車販売台数で、ホンダ「N―BOX」、スズキ「スペーシア」に次ぐ3位だった。新型の外観は従来路線から大きく変わっておらず、最大のアピールポイントは基本性能の進化にある。新しい車両プラットフォームを投入する真っ向勝負で、先行2社にどこまで迫れるか、ダイハツの力が試される。
(日刊工業新聞大阪支社・錦織承平)

最終更新:9/10(火) 9:44
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