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【ラグビー】日本代表・田村優、ワールドカップへの決意は「プレッシャーと向き合う」。

9/10(火) 14:57配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 田村優は9月20日、ラグビー日本代表としてワールドカップ日本大会の開幕を迎える。歴史的3勝を挙げた前回イングランド大会に続き、2大会連続での出場。今度は不動のSOとして期待されている。

 身長181センチ、体重92キロの30歳は9月7日、結団式終了後の取材機会で心境を吐露した。

「もちろん、プレッシャーはとってもあります。でも、僕自身はプレッシャーがある方が好きですし、そこから逃げるつもりはないです。まず、プレッシャーと向き合いたくなかったら、代表を辞めています。はい」

 越境入学した國學院栃木高でラグビーを始め、明大を経て入ったNECでは1年目の2011年度から活躍。翌12年には当時のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ率いる日本代表に呼ばれた。2015年のワールドカップでは勝って話題を集めた南アフリカ代表戦を含め2試合のみの出場に終わったが、以後、この国のラグビー界の中心街を歩いてきた。

 スーパーラグビーに日本から加わるサンウルブズへは発足初年度の2016年から参加し、日本代表ではジェイミー・ジョセフ現ヘッドコーチ就任前からベストメンバー時はほぼ10番をつけていたと言える。

 充実している時は相手防御の動きが「ゆっくり」に見えるそう。ボールが動くなかで前後左右を見回し、テンポよく味方に声をかける。空いたスペースにキック、パスを適宜、振り分け、一転、パスをすると見せかけて自らランを仕掛けることもある。他の誰にも似ていないスペース感覚を他の仲間たちと共有し、痛快なコンビネーション攻撃を繰り出す。ゴールキックも任される。

 置かれた立場は、2015年ワールドカップまで最後尾のFBでほぼ固定された五郎丸歩と同じ。だから田村が「プレッシャー」を口にするのは自然な流れだが、役割を全うするという意味合いの「責任感」について聞かれると「責任感というより……」と言葉を練り直す。

 いま自分が日本代表のジャージィを臆せず着られるのは、求めに応じるかどうかを自分で決めたという自由意志を抱いているからだと強調する。

「8年間(代表として)活動させてもらっていて、4年前はいろいろな人にサポートしてもらいながらいい結果を出せた。次(日本大会)もやるかどうかを悩んでいる時に、またジェイミーに呼んでもらって、そこで、自分がやると決めた。8年間、ハイパフォーマンスをやるということが自分のなかでターゲットになった。やるかやらないかを自分で決められる状況に置いてもらって、やると決めた」

 取材機会の前日の6日は、埼玉・熊谷ラグビー場で大会前最後の実戦に臨んだ。4年前は見事に倒した南アフリカ代表に、7-41で敗戦。かくして、2016年以降でティア1(強豪国)に勝ったのは2018年6月9日の対イタリア代表戦のみという結果に終わった。

 田村も南アフリカ代表戦の終盤、好機でインターセプトを食らって失点を招いた。しかし、「小さな相手ウイングの頭を(パスで)越そうとしたのですけど……。あれは僕のミスです」と潔かった。ジョセフ率いる現日本代表のいまを、前向きに捉える。

「今回の試合でどれだけ細かいことが大事なのかをわかった。チーム全体は落ち込んでいるところもありますけど、僕はいまがまた成長するチャンスだと思っています。もっとよくできる」

 チームはここに至るまでの間、藤井雄一郎強化委員長(今年8月21日まで強化副委員長)らの仲介によって首脳陣と選手とのコミュニケーション不良を解消してきた。苦難を乗り越えて一丸となった集団にあって、田村は連帯感という名の心地よさを覚えながら「プレッシャー」を楽しんでいる。

 9月20日はまず、ロシア代表との開幕戦に挑む。以後は優勝候補と見られるアイルランド代表、環太平洋のサモア代表、アイルランド代表と欧州で競り合うスコットランド代表と戦う。

 大会後の予定は所属先のキヤノンでの活動以外「ノープラン」とする田村は、これから始まるビッグステージへ「ベスト8はマスト」。最高潮の状態で決戦を迎えたい。

(文:向 風見也)

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