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iDeCoの「3つの税制メリット」は信じていいのか? 受取方法で変化する課税について説明します。

9/10(火) 12:12配信

マネーの達人

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来のお金に余裕がない場合は、加入しないほうがいい理由として、

・ 60歳まで原則、引き出すことができない
・ 途中解約ができない

の2つをお伝えしましたが、加入する前に確認しておきたい3つ目のポイントは「3つの税制メリット」です。

一般的に言われているiDeCoの「3つの税制メリット」は、次の通りです。

1. 掛金が全額取得控除の対象(所得税・住民税が減額)

2. 運用収益は非課税

3. 受取時は税制優遇措置が受けられる

見るサイトによって文言は若干異なることもありますが、同じ意味になります。

3つの税制メリットのうち「運用収益は非課税」については、確かにメリットと言えますが、掛金の拠出時と受取時のメリットについては注意が必要です。

所得控除のメリットがないケースもある

所得が低い場合や住宅ローン控除の適用中

専業主婦や所得が低い場合には、もともと支払っている所得税額がゼロまたは少ないため、所得控除による節税効果が薄くなる、またはゼロのケースも多くなります。
さらに、住宅ローン返済中で住宅ローン控除の適用中の方も、もともと支払っている所得税額がゼロまたは少ないため、その時のiDeCoによる所得控除のメリットの効果は薄くなります。

なお、iDeCoの掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」といった所得控除の対象となります。

社会保険料控除では、納税者と自己と生計を一にする配偶者やその他親族に支払った社会保険料も対象となりますが、小規模企業共済等掛金控除では、納税者本人が支払った掛金のみが対象です。

受取り時の税金にメリットがあるのか?

0歳以降にiDeCoの積立金を受け取る場合には、一時金で受け取る場合には退職所得として、年金形式で受取る場合には雑所得として課税されます。

年金形式で受け取る場合には、公的年金等控除が適用されます。

これを「メリットとして捉えるか?」です。

■一時金で受け取る場合
会社から受け取る退職金も同時に受け取る場合には、iDeCoの一時金と退職金を合計して退職所得を計算していきます。

退職所得での課税は、他の所得の種類よりも優遇されているため、勤務期間が長いもしくは長期間iDeCoに加入しているのであれば、現時点での退職所得の計算方法では、課税されない可能性もあります。

■年金で受け取る場合
国民年金や厚生年金など公的年金等の受給額と合計して雑所得を計算していきます。

公的年金のみの場合でも年金支給額から公的年金等控除を差し引くと所得が発生しますので、さらにiDeCoから受取る年金が加算されるのであれば、所得税や住民税は増えることになります。

ただし、公的年金が支給されない60歳~65歳までの5年間でも公的年金等控除(最低70万円)が使えますので、それを最大限活かすことも考えられます。

それでは、どのような方法で税金を計算するのでしょうか?

【例:年金形式で受け取る場合】 
・65歳時点でのiDeCoの積立金合計額:900万円(内訳:掛金部分800万円、運用収益部分100万円)

・年金受取方法:年間90万円×10年間 

・公的年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金):年間180万円

・雑所得の合計額:270万円(iDeCo90万円+公的年金180万円)

・公的年金等控除額:120万円(65歳以上、公的年金等の収入合計が330万円未満の場合)

270万円-120万円=150万円(雑所得の金額)

この計算例を見て「あれっ?」と思われませんでしたか?

iDeCoの掛金部分も課税対象となっています。

通常、所得税を計算する時には収益(増額)部分のみが課税対象になります。

例えば、100万円の株式を購入して110万円で売却した際には、10万円の収益部分のみが課税対象になります。

しかし、iDeCoでは、掛金拠出時に掛金全額が所得控除の対象となっているため、通常とは違う考え方で計算するのです。

一時金で受け取った場合でも同じ考え方になります。

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最終更新:9/10(火) 12:12
マネーの達人

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