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[社説]検察改革での目に見える成果で法務部長官任命に答えよ

9/10(火) 8:05配信

ハンギョレ新聞

文大統領「国民分裂に深く悩んだ」 チョ長官は検察捜査に堂々と臨むべき 若年層の批判・怒りに誠実な対応を

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、ソウル大学法学専門大学院のチョ・グク教授を法務部長官に任命した。文大統領は任命強行にともなう政治的論争より、権力機関改革の明らかな成果を出すことに重きを置いたと見られる。苦労を経て法務部長官に任命されただけに、チョ長官は最大の課題である検察改革で目に見える成果を国民にはっきり示すよう願う。大統領府と与党は今回の論議の過程で提起された「公正と定義」の価値に対する若年層の喪失感と怒りを重く認識し、これを政策と制度に収れんできる道を見出さねばならない。これまでの前例のない論争が、韓国社会の公正・公平の価値と民主主義を一歩進める機会に作用することを期待する。

 文大統領が任命状授与式で「ともすれば国民分裂につながりかねない状況を見て、大統領として深く悩んだ」と打ち明けたことから見ても、過去1カ月の韓国社会全体がチョ長官の任命をめぐり激烈な論争と紛争に包まれたことは事実だ。それでも文大統領がチョ法務部長官を選んだのは、任期中に権力機関の改革を必ず行うという意志表現と読みとれる。検察が国会の人事聴聞会が終わる前に「国民の関心が大きい公的事案」という理由で長官候補者の家族に対する捜査に入ったのは、明白な政治介入であり、国民判断を制限しようとする傲慢な行動だった。検察がチョ候補者の妻の研究室を家宅捜索し、聴聞会の途中で夫人の起訴事実を発表したのにもかかわらず、「チョ長官任命」に賛成する世論が減らなかったことは、検察改革に対する国民の願いがそれだけ大きいことを傍証している。論争は激しかったが、このような検察に対して妥協する態度を見せないことが権力機関の改革成功に必須だと判断したのだろう。

 チョ長官はこのような国民の要求に答えなければならない。「チョ長官になったからといって検察改革がなされるのか」という疑問を払拭し、捜査権と起訴権を握っている検察の力をそぐ目に見える成果を、法制度の整備を通じて国民の前に示さねばならない。それでこそ、多くの意見を押し切ってチョ候補者を長官に任命した大統領の決断が正当性と名分を得ることができる。

 また、妻に対する検察捜査に法務部長官として介入したり、指示する態度を見せてはならない。検察捜査がいかに無茶で政治的だという印象が濃くても、すでに始まった捜査に法務部長官や大統領府が圧力を加えていると見られては、国民の支持を受けられない。チョ長官は聴聞会で「検察の(妻の起訴の)決定を尊重する。今から私の妻は刑事手続き上の防御権を持ち、裁判まで続くだろう」と話した。その言葉通り堂々と、原則通りに検察捜査に対応するように願う。

 文大統領は「今回公平と公正の価値についての国民の要求と一般の国民の相対的喪失感を切実に感じた」とし、「機会の公正をやぶる制度から見直し、特に教育改革を強力に推進していく」と明らかにした。この言葉が単にチョ長官任命に批判的な青年層の気持ちを和らげることで終わってはならない。大統領府と与党は、検察改革という緊急の課題とは別に、「チョ論争」の過程から表れた若年層の失望感と怒りに誠実に答えねばならない。もちろん若い世代の要求は韓国社会のシステム全般の改革と密接に関連していて、短期間に解決できる問題ではない。それでも政権側は「公正と正義」についての若者の求めに共感が足りなかったのではないのかと身をもって振り返り、教育だけでなくあらゆる分野の制度と手続きを改善しようと努力するよう願う。これは自由韓国党の反対や検察の組織的抵抗とは全く筋違いの問題という認識をはっきりするように願う。

 今後も政治的論議は避けられない。検察の刃先がチョ長官と家族に向かい続けることで、自由韓国党をはじめとする野党は特検と国会の調査を要求し、攻防を繰り広げることは明らかだ。そのような論議にもかかわらず、検察改革はあきらめることのできない時代的課題という事実を肝に銘じなければならない。チョ法相任命はゴールではなくスタートだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9/10(火) 8:05
ハンギョレ新聞

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