ここから本文です

リブラは「鳴り響く目覚まし時計」【FSB氷見野氏(金融庁)スピーチ・全文】

9/10(火) 6:00配信

CoinDesk Japan

金融庁は9月6日、都内で暗号資産に関する監督ラウンドテーブルを開催した。その冒頭で、日本人初の金融安定理事会(FSB)の常設委員会議長に就任した金融庁の金融国際審議官、氷見野良三氏があいさつした。話題はFacebookのデジタル通貨「リブラ」にもおよんだ。開会あいさつ全文は以下の通り(英語で公開されたものをCoinDesk Japanにて翻訳)。

皆さま、おはようございます。本日は参加していただきありがとうございます。

今年2019年、日本はG20の議長国を務め、暗号資産に関連する提案をいくつか行ないました。我が国の要請に反応する形で、金融安定理事会(FSB)は暗号資産の規制当局ディレクトリ、規制上のギャップに関する分析報告書、分散型金融技術の将来を見通す調査報告書を作成しました。証券監督者国際機構(IOSCO)は暗号資産規制当局向けの、初となるハンドブックの草稿を作成しました。6月初旬、G20の財務大臣と中央銀行総裁は福岡で会談し、これらの取り組みを歓迎しました。

しかし、福岡での会談から数日後、(フェイスブックの仮想通貨プロジェクト)「リブラ」のホワイトペーパーが発表されました。議長国日本の下で進められた取り組みは、リブラがもたす多くの問題に対応していると主張したいです。しかし、対処できていない問題があることも認めざるを得ません。6月下旬に開かれたG20サミットにて、G20のリーダーらはFSBやその他の基準設定機関に、必要に応じて追加の多国的対応について勧告を行うよう求めました。

リブラの役割

現段階では、リブラプロジェクトが実行可能なものかどうか、私は予測ができません。しかし、リブラは我々全員にとって、鳴り響く目覚し時計のような役割を果たすと考えています。

目覚し時計が鳴ったらどうしますか?私はしばしば、スヌーズボタンを押してしまいます。しかし、それでは眠れる時間が数分間延びるだけです。同じようなことが、リブラにも当てはまるかもしれません。リブラの目覚ましは今、規制当局や中央銀行の目を開かさせ、遅かれ早かれ直面する必要のある問題を正面から見据えさせています。そして他にも多くの時計が、次に鳴るのを待っているかもしれません。

これらの問題について、3つの例を取り上げたいと思います。

まずは銀行です。従来の商業銀行の事業モデルは、3つのサービスを1つにまとめています。預金の受け入れ、決済サービス、そして貸し付けです。銀行は決済サービスを提供することで、預金を引き付け、借り手を監視するのに必要な情報を収集しています。

1/3ページ

最終更新:9/17(火) 12:03
CoinDesk Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事