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偏狭なナショナリズム超える選手たち

9/11(水) 12:12配信

47NEWS

 近年、メディアのスポーツ関連報道は過熱ぎみ。全国高校野球記念大会が100回目を迎えた昨年など、一般紙なのにスポーツ紙と見紛うほど、スポーツ面が肥大している新聞もあった。

 これらの報道で気になるのは、ハーフのアスリートたちの国籍性の問題である(両親の国籍が異なる人は「ミックス」「ダブル」などとも呼ばれるが、ここでは一般的な「ハーフ」として書き進める)。

 昨年、女子テニスの大坂なおみが全米オープンで優勝したとき、表彰式で結果に納得しないファンのブーイングが響いた。その表彰式で大坂は「みんながセリーナを応援していたのを知っているから、こんな終わり方になってごめんなさい」とわびた。

 「日本人初の快挙」と偉業をたたえる一方、こうした振る舞いを指して「日本人より日本人らしい」と評価するコメントも目立った。彼女のすべてを「日本人」という枠におさめようとするかのような報道だった。

 大坂は日米の二重国籍で米国育ち。生活の本拠も活動の拠点も日本にはない。はっきりしているのは、テニス選手として「日本」を選んでいるということだ。メディアはなぜことさらに「日本人」を強調するのだろう。

 同じことは、陸上のサニブラウン・ハキームやバスケットの八村塁、ラグビーの松島幸太朗、柔道のベイカー茉秋(ましゅう)らにも言える。

 ハーフの活躍は芸能タレントやモデルまで広げると、枚挙にいとまがない。肯定的なキラキライメージだが、かつて「混血児」と呼ばれ、苦難の歴史を生きた子どもたちを忘れてはならない。

 ハーフとは両親のいずれかが外国人ということだが、旧国籍法では日本人女性が産んだ子でも、夫が外国人の場合、子は日本国籍が取れなかった。反対に日本人男性と外国人妻の子はどこで生まれても、だれが産んでも日本国籍だった。

 「妻は夫に従う」という家制度の名残り、父系優先血統主義のためである。先にあげた選手たちはいずれも母が日本人、父が外国人なので、旧国籍法下では日本人として国際大会に出場することはできなかったことになる。

 戦後、国際結婚は年を追って増え続け、国の人口動態調査によると、1980年には7261組で婚姻総数の0.9%を占めた。うち夫が外国人なのは2875人だが、そのカップルの子は日本人になれなかったのだ。

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最終更新:9/11(水) 16:14
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