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オダギリジョー、俳優が映画を撮る葛藤

9/11(水) 7:16配信

シネマトゥデイ

 俳優のオダギリジョーが、映画監督としてのスタートを切った。その記念すべき長編デビュー作『ある船頭の話』(9月13日公開)は、第76回ベネチア国際映画祭ベニス・デイズ部門に日本映画として初の出品。さらに中国の名女優コン・リーと共演した『サタデー・フィクション』(2020年公開、ロウ・イエ監督)も同映画祭のコンペティション部門に選出され、まさに俳優と監督の二刀流だ。俳優が監督するからこその強みとは何なのか。またその難しさとは? オダギリ監督がその胸中を明かした。

『ある船頭の話』予告編

 今回オダギリ監督が主役の船頭役に迎えたのは柄本明である。同業者として柄本の実力を知っているだけに、演技には絶大な信頼を寄せていたが、その関係性は一筋縄ではいかないものだったようだ。

 「ある程度経験を積んだ俳優同士として、当然ながらお互いに自分なりの哲学のようなものがあるわけです。例えば、監督はどこまで演出をつけるべきで、どこからが俳優の考えるべきことか、という線引きは、すごく繊細な部分でもありますよね。同じ表現者だけど、監督と俳優は表現することが全く違いますから。そもそも、俳優にその役の説明をするのは野暮な話だと思うから、僕は撮影現場で柄本さんにあまり説明しないようにしていましたし、逆に柄本さんから質問されることもありませんでした。ただ、監督の表現としては別のベクトルが同時に発生してしまう中で、柄本さんから『人間ってそういうものじゃないだろ?』と言われてしまえば、俳優としての自分が監督の自分を止めたくなるんです(苦笑)。自分の中の俳優と監督が常にせめぎ合う。そんな毎日でした」

 柄本も演出家の顔を持つだけに、二人の緊張感たるや相当なものがあったであろうことは、想像に難くない。一方でオーディションで抜擢したヒロイン・川島鈴遥(かわしま・りりか)には全く別のアプローチを試みていた。

 「川島さんはまだ演技経験がそこまで多くはなかったので、わかりやすいように丁寧に的確に伝えることを心がけていました。僕が俳優だからこそ、こういう言い方をすれば気づくだろう、こういう引き出し方をすればこの部分が出るだろうという塩梅がわかることもある。一口に演出と言っても、相手によってやり方を細かく調整できるのは、俳優が監督する上での大きな利点だと思います」

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最終更新:9/11(水) 7:16
シネマトゥデイ

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