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古里胸に東京五輪へ(9月11日)

9/11(水) 9:29配信

福島民報

 中学生や高校生が川面を渡る風を切り、カヌーをこぐ。二本松市の阿武隈漕艇場は練習に励む姿を映し出す。この地で育った二人目の五輪選手が誕生する。宮田悠佑[みやたゆうすけ]さんが、タイムを競うスプリント競技カヤック四人乗りの東京五輪代表に決まった。

 道は平たんでなかった。四年前、リオデジャネイロ五輪をかけたアジア最終予選で代表を逃し、昨年のアジア大会はメンバーに入れなかった。宮田さんは「今の自分を想像もできなかった」と一年前を振り返る。心には古里の風景が浮かび、帰省の際は必ず漕艇場を訪れる。

 横風が少なく、長い距離を直線で進める。東和中と安達高の六年間、通い詰めた。中学生の頃、高校生と一緒に合宿し、厳しい訓練に耐えた。仲間と技を磨き合い、カヌーの楽しさを味わった。気持ちがどんなに落ち込んでいても、川を見ると和らぎ、初心に戻れる。

 同郷の先輩、久野綾香[くのあやか]さんの北京五輪入賞に刺激を受け、世界を目指した。壁に何度ぶつかっても努力を重ねた。夢を諦めず、多くの人に支えられて苦しい時を乗り越えてきた。勇姿を見て、子どもたちは後に続く。東京湾岸の海の森水上競技場での来年の活躍が待ち遠しい。

最終更新:9/11(水) 9:29
福島民報

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