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世界的なミリオンセラーとなった「科学まんが」にみる、子どもをひきつける魅力とは?

2019/9/11(水) 10:21配信

ベネッセ 教育情報サイト

全世界で、シリーズ累計7600万部という驚異的な部数を売り上げている科学まんが『Why?』シリーズ。国境を超えて愛され、子どもはもちろん、大人の好奇心もかきたてる“親子で楽しめる”本シリーズの魅力とは? 『Why?』シリーズの日本語版の出版社である世界文化社の井澤豊一郎さんに伺いました。

次を読みたくなるストーリーとわかりやすい図解

『Why?』シリーズは1999年に韓国で発売され、新刊を加え、改訂を繰り返しながら、現在まで世界で読み継がれている学習まんがです。シリーズ全巻で266冊(2019年9月時点)あまりあります。いずれも、小学生の男の子と女の子が主人公となり、子どもが共感しやすいストーリーが展開すること、科学の知識や考え方を、図解や写真を使ってわかりやすく伝えていることが特徴です。

たとえば『まいにちの科学』は、「いなくなった猫を探す」という本筋のストーリーの中で、自動販売機が硬貨を識別するしくみや、嗅覚という感覚の特徴、電子レンジや掃除機のしくみ、スナック菓子の袋がパンパンになっている理由など、身の回りにあるたくさんの謎を解き明かしていきます。

日本にもすぐれた学習まんががたくさんありますが、『Why?』シリーズはより「情報量が多い」印象があります。日本のものなら、もう少し取り上げるトピックを絞り込み、子どもによりていねいに解説する編集方針を取るかもしれません。トピックによっては、一度で完全に理解するのは大人でも難しい内容も入っています。

一度で理解できなくてもかまわない。繰り返し読むことで興味の入口へ

しかし、このシリーズは「なんとなくわかる」「わからなければ読み飛ばす」という読み方でかまわないのだと思います。ふとした拍子に、まんがに出てきた図解が頭に浮かんで「あれはこういうことだったのかな」と思い返したり、もっと大人向けの本をひもとくきっかけとなったり……そういう性格のシリーズだからこそ、国境を超えて子どもにも大人にも受け入れられ、息の長いロングセラーとなっているのかもしれません。

メインターゲットは小学生ですが、対象年齢や学年はあえて設定していません。
児童書に携わっていると、子どもにこそ「子どもだまし」が通用しないと感じることがあります。情報をわかりやすく提供することは大切ですが、内容をあえて「子ども向き」にしすぎず、原理や原則、モノの「本質」について正面から描いた本こそ、繰り返し読まれ、子どもたちの興味・関心をはぐくむのではないでしょうか。

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最終更新:2019/9/11(水) 10:21
ベネッセ 教育情報サイト

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