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文政権対検察の戦い、核心はファンド疑惑

9/11(水) 16:01配信

ニュースソクラ

【ソウル発】ファンド投資先に政府が巨額発注、迂回上場の相手企業では妻が顧問

 文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は9日、チョ・グク氏を強引に法務長官(法相)に任命した。任命反対が非常に高かった世論を考慮したのか、文大統領はチョ氏をはじめとする新任長官らに任命状を授与した直後、異例の国民向けメッセージを発表した。

 まず、「国民に申し訳ない」と述べ、国民世論に反する任命を強行したことについて謝罪したが、「私を補佐し、私とともに権力機関の改革のために邁進し、その成果を見せてくれたチョ・グク長官に任せたい」と述べ、検察改革のためにはチョ氏が絶対必要な人物だと強調した。

 また、「本人が責任を取るべき明白な違法行為が確認されていないのに、疑惑だけで任命を諦めると、悪い前例になるだろう」とも述べた。

 晴れて法務長官に任命されたチョ・グク氏は、就任のあいさつを通じて「検察改革」に対する強い意志を重ねて表明した。

 「検察は統制されてない権力だ」

 「誰も勝手に戻せないような検察改革を、市民たち、専門家たち、そして皆さんと一緒に完遂したい」

 「検察に対する適切な人事権の行使、検察改革の法制化、国民人権保護のための捜査統制など、検察に対する法務部の監督機能を実現しなければならない」

 チョ氏は5分間の就任演説のうち、検察組織を名指して、「改革」に8回、「統制」に5度言及した。

 韓国メディアは、文大統領のチョ・グク法務長官の任命によって、「チョ・グク問題」が第2ラウンドに突入したと論評した。もはやチョ・グク氏の個人の問題ではなく、文在寅政権の問題へ飛び火したという意味だ。

 この「チョ・グク問題」の第2ラウンドで最も重要な役割をするのは、やはり検察だ。韓国メディアによると、チョ氏をめぐる数多い疑惑のうち、検察がチョ氏疑惑の核心とみて捜査に一番力を入れているのは投資ファンドに関する疑惑だ。

 チョ氏とその家族は、彼が大統領府民情首席に就任した後の2017年7月、コリンクPEが運営する投資ファンドに74兆5千万ウォンの投資約定を締結し、10兆5千億ウォンを投資した。

 そして、この投資ファンドが集中投資したスマート街灯点滅機生産会社の「ウェルズシエヌティ」は、チョ氏の投資後、官給工事を総なめし、飛躍的な成長を遂げた。

 それだけでない。他の業者とコンソーシアムを構成して1500億ウォン規模のソウル市地下鉄の公共Wi-Fi事業権と、やはりソウルバスの公共Wi-Fi事業権を獲得した事実が表面化している。その過程における不正疑惑も提起された。

 文在寅政権の実力者であるチョ氏が影響を及ぼした可能性が指摘されるが、チョ氏は「投資先を教えてくれないブラインドファンドだったため、事業内容をまったく知らなかった」と否定した。

 しかしメディアの取材結果、チョ氏の投資ファンドの運営会社のコリンクPEの実質オーナーは趙氏の5親等の甥であり、現在、海外に逃走中だという。

  コリンクPEがウェルズシエヌティの迂回上場を企画したという疑惑も提起された。迂回上場とは、非上場会社を上場会社と合併させることで、自動的に株式上場させるのが一般的な方法だ。

  コリンクPEは、自社が運用中の4つのファンド資金をウェルズシエヌティと「WFM」という会社に投資後、両社を合併しようとしたものと疑われている。非上場企業のウェルズシエヌティをKOSDAQ(米国のナスダックに倣った場外株式取引市場)の上場社のWFMと合併させ、結果的に「チョグクファンド」が投資したウェルズシエヌティを迂回上場させようとしたというのが疑惑の核心だ。

  しかも、投資先を知らなかったはずのチョ氏の妻は、WMFで顧問を務めていたことが、「京郷新聞」の取材結果明らかになった。WMFの代表によれば、チョ氏の妻は毎月200万ウォンの顧問料を受け取り、経営会議にも定期的に参加したという。

  検察は、投資ファンド疑惑と関連してチョ氏が法務長官に任命された当日、コリンクPEの名目上の代表とウェルズシエヌの代表に対して拘束令状を請求した。容疑は、資本市場法違反、横領、背任、証拠隠滅教唆などだ。

 同じ日、東亜日報の系列のケーブルチャンネルの「チャンネルA」は、検察の内部資料にチョ・グク氏が「被疑者」として明示されていると報じた。検察がコリンクPEの関係者を呼んで参考人供述を行う過程で、チョ氏を「資本市場および金融投資業に関する法律」に違反した容疑で「被告」と名指し、ファンド運用に介入したかどうかを調べていると報道した。

 しかし、自分たちの人事権や指揮権を持っているチョ・グク法務長官に対して、検察が最後まで捜査を進められるかどうかについては懐疑的な見方も出ている。すでに就任式で「適切な人事権を行使する」と言及したチョ氏が、「人的刷新」という名目で自分の疑惑を捜査中の特捜部の検事を大挙左遷させる可能性があるからだ。

 文政権の関係者らの検察に対する攻撃も日に日に強まっている。6日、国会の人事聴聞会で与党議員たちは、検察が改革に抵抗するため、捜査資料を違法に流していると検察を攻撃した。大統領府も検察の捜査を「内乱陰謀事件を捜査するよう」「狂う狼」などの表現を使い、猛烈に非難している。

  検察vsチョ・グク、いや、検察vs文在寅政権の戦いはこれからが真剣勝負になるとみられる。

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

最終更新:9/11(水) 16:01
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