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道路貨物運送の倒産、増加へ転じる可能性

9/11(水) 14:15配信

帝国データバンク

 国土交通省の集計(トラック輸送情報)によると、2018年度のトラックによる宅配貨物取扱個数は42億2300万個となり、この10年間で約10億個超、増加率にして約30%も増加した。Amazonや楽天などEC市場の急速な拡大により、いわゆるラストワンマイルを巡る業者間の競争が激化。爆発的な取扱量の増加に、ドライバーの労務問題や宅配料金の引き上げなど、新たな課題に直面した道路貨物運送業界では、構造改革も進みつつあるほか、AIを導入した新たな物流インフラ構想も進む。

 一方で、慢性的なドライバー不足は解消の気配を見せず、下請け業者などを中心に人件費や燃料費が収益を圧迫するケースも後を絶たない。

 帝国データバンクでは、2019年1月~8月の道路貨物運送業者の倒産動向(負債1000万円以上、法的整理のみ)について、集計・分析した。

倒産件数は2019年1~8月累計で126件、前年同期比26.0%増

 2019年の道路貨物運送業者の倒産は8月末時点で126件発生。前年同期比26.0%の大幅増となっており、2014年以来5年ぶりに増加に転じた。負債総額は8月末時点で137億5000万円となり、こちらも前年同期を66.5%上回る大幅増となった。

 通年での倒産件数の推移を見ると、過去最多となった2009年の374件(負債総額1057億2000万円)から減少傾向にある。EC市場の拡大から宅配貨物取扱個数が急増したことで、中小業者にも仕事がまわり、2018年は161件とピーク時の半分以下まで減少していた。

 しかし、ここに来て一転。6年ぶりに倒産増となる可能性が高まっている。倒産件数は通年で200件に迫り、負債総額は200億円を超えるペースで推移している。慢性的なドライバー不足に加え、労務管理の厳格化など政策的な外部環境の変化に、業者のコスト管理が追い付いていないケースも多い。燃料価格も上昇・高止まり傾向が続くなか、近年の仕事量の増大を背景に運賃の値上げなどでなんとか資金繰りをつけていた中小業者の疲弊感が鮮明化し始めている。

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最終更新:9/11(水) 14:15
帝国データバンク

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