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日亜化学の中傷動画をめぐる訴訟 徳島地裁がユーチューブに削除命令

9/11(水) 19:20配信

THE PAGE

 動画配信サイト「ユーチューブ」に投稿された動画によって社会的信用を損なう恐れがあるとして、青色発光ダイオードで世界的に有名な日亜化学工業が、ユーチューブ社に対して動画の削除などを求めた訴訟で、徳島地裁は同社に対して削除と投稿者の情報開示を求める仮処分命令を出しました。

動画ではパワハラや工場の実態を暴露 日亜化学は否定

 争点となっている動画は、2018年4月に元従業員を名乗る人物がユーチューブにアップしたものです。本人と思われる男性が、日亜化学で受けたパワハラ被害や工場の実態について暴露するという内容で、動画は音声とテロップが中心となっています。動画では、具体的な管理職の名前をあげた上でパワハラがあったと告発しており、社内では自殺者が出たほか、自身については、突然、解雇されてしまったと述べています。また、工場のクリーンルームが不衛生な状況となっており、「鳥や犬が紛れ込んでいる」「こんな状態で仕上がったLED(発光ダイオード)には品質に疑問を感じる」として、同社のLEDを購入しないよう呼びかけています。

 日亜化学側は「事実に基づいたものではない」として動画の削除をユーチューブに依頼していましたが、同社は「名誉毀損に当たるかどうか判断できない」として削除要請には応じていませんでした。

 ネット上では、この動画の真偽や日亜側の対応をめぐって様々な意見が飛び交っていますが、とりあえず仮処分命令が出た段階ですので、今後、訴訟がどのように推移するのかは何とも言えません。

事実?嫌がらせ? 裁判で明らかになるのか

 日亜化学工業は、徳島県にある企業で、1993年に世界に先がけて青色発光ダイオードを製品化したことで知られています。ところが2001年に、青色発光ダイオードの開発に大きく貢献した同社社員の中村修二氏(現、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)が、会社を相手取り、巨額の対価を求める訴訟を起こしたことから、日本中が大騒ぎとなりました。最終的には同社が中村氏に8億4000万円を支払うことで和解が成立し、中村氏側はその後、同社との関係改善を求めましたが、日亜側は中村氏の申し出を拒否しています。

 当時、青色発光ダイオードは、非常に希少価値の高い製品でしたが、近年は韓国や中国メーカーが安い価格で製品を供給しており、日亜をはじめとする日本メーカーはシェアの低下が懸念されている状況です。

 動画で告発している内容が本当であれば、ショッキングなことですが、一方で、会社に対する悪質な嫌がらせであれば、同社の被害は計り知れません。裁判を通じて、真実が明らかになることを期待したいところです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:9/11(水) 19:20
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