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香川真司が見せる格の違い。憧れの地スペインで始めた這い上がるための「最高の挑戦」

9/11(水) 12:05配信

GOAL

違和感

ここはスペイン首都のマドリー郊外にあるアルコルコン。人口は16万人ほどで、電車の駅から降りれば、その閑静さにすぐベッドタウンであることが分かる。道を歩いているのは、ほとんどが人口66万人を誇るサラゴサからやって来たレアル・サラゴサのサポーターだ。彼らは僕の東洋顔を見るたびに「そういうことだろう」とでも言いたげな笑みを投げかけてきた。背番号23と「KAGAWA」をプリントしたユニフォームを来ているサポーターが、特にそうだった。

ここに拠を構えるADアルコルコンのスタジアム、サント・ドミンゴの収容人数は5500人で、リーガ1部クラブのスタジアム周辺に比べるとやはり人はまばらだ。人混みをかき分けて進む必要などなく、それぞれがどんな表情で試合を迎えようとしているのかを確認して歩く余裕すらある。そんな風に歩きながら記者の受付口へ向かっていると、後ろからマドリーの中心街でたこ焼き屋バロン・トキオを営む日本人の知り合いに声をかけられた。彼のお目当ては、僕と同じく、もちろん香川真司である。

「このスタジアムは前にも一回来たことあるんですけど、ここで香川を見られるなんて思いもしませんでした」、若くしてたこ焼き屋を経営する彼はそう言った。

確かに、違和感はある。普段は何十列も上にある記者席だって、サント・ドミンゴならば一桁台にあり、コーナーフラッグあたりの芝生は席に腰を下ろしたならば完全に隠れてしまう。ラージョ・バジェカーノの監督パコ・ヘメスにインタビューした際に「ピッチレベルでは、はっきり言って何が起こっているか分からない。今日の試合は最低だったと思って家に帰って、テレビで見返してみると、とても良かったってことがある」と話していたが、それが少し理解できるくらいにピッチを見下ろすための角度がない。

当たり前のことだけれど、当たり前という感覚を与えることなく香川はピッチにいた。これだけ近い位置から見ると、ほかの選手と比べて体格が小さいことが浮き彫りになる。しかしアップ中から誰よりも手を叩いて、チームメートを鼓舞していたのが彼だった。誰よりも軽そうな体で、誰よりも重い責任を背負っていたのが、彼だった……。

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最終更新:9/11(水) 20:36
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