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急行「飯田線秘境駅号」何がおもしろい? JR東海担当者が明かす10年続いた人気のワケ

9/11(水) 16:00配信

乗りものニュース

「秘境駅」はとても日本的

 人里から離れ、駅に至る大きな道もなく、鉄道以外での到達が困難な「秘境駅」。そんな駅を訪れ、非日常感を味わう「秘境駅ブーム」がいまも続いています。2000年代後半から始まった動きですが、人気を受け、JR東海は飯田線の豊橋駅(愛知県豊橋市)と飯田駅(長野県飯田市)のあいだを結ぶ秘境駅観光列車、急行「飯田線秘境駅号」の運行を2010(平成22)年春に開始。以降、毎年春と秋を中心に不定期で運行しています。

【地図】急行「飯田線秘境駅号」の走行ルート

 飯田線に複数ある秘境駅を、本数が多くはない普通列車で1日に回るのは困難ですが、秘境駅をたどる「秘境駅号」ならそれが可能。10年目を迎えたいまもなお人気は衰えず、2019年5月には、世界が共感する“クールジャパン”を発掘・認定する「クールジャパンアワード2019」でも表彰されました。

 選考理由についてある外国人審査員は「誰も降りないひなびた秘境の無人駅に静かに止まる列車は映画の世界のよう。深い山の中、あたり一帯に囲まれ、蝉の鳴き声だけが聞こえるような情景はとても日本的」としています。

「秘境駅って何がおもしろいんだろうと、懐疑的でした」

 秘境駅の魅力とは何なのか、「秘境駅号」の企画を担当するJR東海 運輸営業部の大谷直也さんはこう分析します。

「正直に申し上げますと、私もこの観光列車を担当するまで、秘境駅って何がおもしろいんだろうと、懐疑的なところがありました。そこで実際に『秘境駅号』に乗って、いざ小和田駅や田本駅などに降り立ってみると、これまでにない興奮を覚えたんですよ」(JR東海 大谷さん)

古い木造駅舎、打ち捨てられたミゼット…秘境駅のロマン

 例えば小和田駅(静岡県浜松市)では、クルマが入って来られる道が駅につながっていないにもかかわらず、立派な古い木造の駅舎があるのですが、付近には製茶工場の廃屋があり、「ミゼット(かつての三輪自動車)」や「カブ(オートバイ)」も廃車となって横たわっています。

 田本駅(長野県泰阜村)は、幅およそ2mしかないホームの前にダムのような巨大なコンクリートの壁がそびえ立っていて、駅の端に登山道のような細い道が接続しているだけであるため、一見すると出入口がないような錯覚に陥ります。

「田本駅は、なんでこんなところにコンクリートの壁があるんだろうと、駅に降りてまず思いましたね。そこに人工物の美しさや、昔は人の営みがあったんだろうな、というような、ストーリーやロマンを感じました。なるほど、こういう価値があるんだな、という発見がありましたね」(JR東海 大谷さん)

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最終更新:9/13(金) 17:47
乗りものニュース

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