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超売り手市場でも就職せずに「新卒フリーランス」を選ぶ。新たな選択肢か無謀な道か

9/12(木) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

若手人材が企業に対して売り手市場の現代で、新卒から就職せずにフリーで働き始める20代が、しばしば話題になる。彼らの理由とは。

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「収入を安定させたい気持ちはもちろんありますが、毎日出社するストレスもないし、精神的にラクなんです」

フリーランスのウェブライターとして働くアヤカさん(23、仮名)と、東京都板橋区のとある駅前で待ち合わせたのは、まだ夏の陽射しの強い、8月の午後だった。

外にいられないぐらいの熱気を逃れるように、下町風情の街並みにあるチェーンの喫茶店に入った。昼間とあって、店内は近所の高齢者で賑わっている。

アイスティーを前に、アヤカさんはゆっくり話し始めた。

「就活では内定をもらったんですが、やっぱり違うかなあと思ったのは、4月入社直前のインターンの時です」

アヤカさんは大学卒業以来、一度も企業に就職はしていない。いわゆる“新卒フリーランス”だ。

大学4年生の時にウェブマーケティングのベンチャーから内定をもらったが、入社式を前に、内定を辞退している。もともとデザイナーやライターのようなものづくりの仕事を志向していたが、営業として採用され、インターンで体験したところ「向いていない」と実感した。

結果的に、就職せずにフリーランスで働き始めて、1年余り。きっかけはTwitterで目にした「新卒フリーランス」として働いている人の発信だった。

「こういう選択肢もあるんだ」

新たな扉の開く思いがした。

自分の時間もないような働き方をしたくない

ウェブデザインの学校に通いながら、在宅でウェブライティングを始めた。

企業からの発注をネットを介して受けられる、クラウドソーシングのプラットフォームに登録。検索エンジンでのアクセスを増やし、PVを上げるために指定されたキーワードを入れて、テーマに応じた文章を書く仕事に応募した。1文字0.7円からスタートし、1円、1.5円と評価に応じて文字単価は上がった。

「在宅で何本も記事を書くので、けっこう家にいることになりますが、それ自体は苦ではないです」(アヤカさん)

やがては「働く女性のインタビュー記事や、会社員じゃない働き方について書く仕事をしたい」と思っている。

ただ、在宅でのライティングだけでは生活は厳しい。その後、やはりクラウドソーシングで探した、IT系のベンチャー企業と「業務委託契約」で、ウェブメディアの編集やライティングの仕事をするようになる。

3カ月間は週5勤務20万円だったが「毎日の出社は、在宅でのライター業と両立がきついので」、この夏からは週3勤務15万円に変えてもらった。

業務委託契約は本来、企業と雇用関係にはないので、企業側の「勤務時間」や「勤務場所」の規律に従う必要はない。出社の義務はないのでは?と聞くと、そこをアヤカさんはあまり気にしていないようだ。それよりも、目下の収入と時間の使い方の方が大切という。

「出社の回数は減って、自分の時間が増えたので。精神的にラクになりました。正社員になると副業ができないので、ライターの仕事がやりにくくなりますし」

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最終更新:9/12(木) 17:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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