ここから本文です

入善町入膳(5)水の小径・あいさい広場

9/12(木) 23:22配信

北日本新聞

■水辺で散策 カレーに舌鼓

 せせらぎと木漏れ日を感じながら、心地よく散策できる「水の小径(こみち)」。朝夕、ウオーキングに訪れる人が目立つ。玉石を敷き詰めた浅い水場もあり、残暑が厳しいこの時期、清涼感を漂わせている。

 町役場の南側から町運動公園にかけて南北約1キロにわたる。親しみの持てる水辺空間をつくろうと隣の入善用水から水を引き、1994年に完成した。当時整備に携わった窪野修町建設課長がかばんの中から小径の古いパンフレットを大事そうに取り出し、説明してくれた。「いろんな魅力が凝縮された散策路」と自負をのぞかせる。

 水車によって羽根飾りが回転するダイロ広場があるほか、入善高校生が植え込んだ花壇が散策路を彩る。町出身の歌手、故津村謙の記念歌碑横のテーブルには名曲集と書かれたボタンが設置され、七つの中から好みの曲を押すと歌声が流れる。

 散策後、立ち寄りたいのが小径北側にあるJAみな穂(細田勝二組合長)のあいさい広場。取れたての地場産野菜や加工品を扱う。試しに枝豆を買い、入善海洋深層水の塩と高瀬湧水の天然水でゆでると格別な味に仕上がった。

 「ただの直売所ではなく、生産者や消費者の触れ合いの場でもある」とみな穂の松原康子生活指導員が言う。「このナス、焼いたらえらいおいしかったわ」と食べた感想などを教え合う光景が見られる。

 特に人気が高く、細田組合長もイチ押しなのが毎週月曜の「カレーの日」。500円で農家の女性グループ手作りのカレーや漬物、酢の物、煮物などの総菜がバイキング形式で選び放題だ。町内で1人暮らしをする70代女性は「体にいいものばかりでおいしい。ここに来ていろんな人と話すのが楽しみ」と話す。

 「入善の文字を薄い紙に書いて裏から透かして見ると善人と読める」。酒の席で梅津將敬副町長が言っていたのを思い出した。一連の取材で町民の等身大の素顔や心の機微に触れる中、おおらかさや寛容さといった忘れかけていた大切なものを「じゅわ~っ」と感じた。

(朝日・入善支局長 高野由邦)

 =おわり

最終更新:9/12(木) 23:22
北日本新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事