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法歯学による身元特定技術の向上を 岩手医大の教員主催で国際災害セミナー

9/12(木) 13:00配信

河北新報

 大災害の発生に備えて遺体の身元特定の精度を高めようと、盛岡市で12日、国際的大規模災害セミナーが開かれる。「日本の態勢は世界水準と懸け離れている」と憂慮する岩手医大の熊谷章子准教授(法歯学)が主催する。先進国の韓国から講師を招き、最新技術などを学ぶ。

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 1万8000人以上が犠牲になった東日本大震災では、今でも岩手、宮城、福島3県で59遺体が身元不明のまま。遺体の取り違えも3県で22件が確認されている。

 遺体の特徴を記録するには、歯の欠損や治療痕を記録する歯科所見が有効とされる。3県の歯科医師会によると、震災では約3160人の歯科医が計約8750体を記録し、身元の特定に貢献した。

 一方で震災直後の1週間は、連携ミスで所見を記録できなかったり、訓練が不十分なまま対応せざるを得なかったりしたケースもあったという。

 自らも震災で歯科所見に携わった熊谷准教授は「身体的特徴で個人を判別して引き渡したケースも多い」と指摘。「証拠として活用するに至らない記録もあった。遺族に返せた遺体もあったはず」と悔やむ。

 セミナーは日韓で人材育成を目指す「韓昌祐・哲文化財団」が助成。韓国の法歯学者が、平時から技術の研さんを積む国立科学捜査研究施設の取り組みを説明する。

 熊谷准教授は「日本でも多国籍の人々が巻き込まれる災害が発生する可能性がある。国境を越えた取り違えが起きる前に世界水準の技術を学ぶきっかけにしてほしい」と語る。

 セミナーは身元確認に携わる警察や医療機関の関係者が対象。いわて県民情報交流センター「アイーナ」で午後2時に開会する。

最終更新:9/12(木) 13:00
河北新報

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