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「法令に従ってやっている」 結局変わらぬ値引き合戦 KDDIはソフトバンク追従 総務省は静観?

9/12(木) 17:39配信

ITmedia ビジネスオンライン

 2019年10月から、改正電気通信事業法が施行される。各キャリアによる行き過ぎた「囲い込み」の防止や、通信料金と端末料金の完全分離を目的とした本法。これまで大手キャリアは通信料金と端末料金を一体化させることでさまざまな値引き戦略をとってきた。本法では、「通信役務の利用及び端末の購入等を条件として行う利益の提供」について「2万円(税別)を超える額」の値引きを禁止。例えば、auやソフトバンクの通信を継続して2年以上利用することを前提に、本体価格を数万円値引きすることなどができなくなる。しかし、この規定の“穴”を突いた施策が各社で発表されている。

【画像】法令の“穴”を突いた施策

 例えば、ソフトバンク。これまでは同社の通信を利用するユーザー向けに「半額サポート」を展開。ユーザーは端末を48回割賦で支払うことを前提に、24回目の支払いを終えた後は端末をソフトバンクへ返却。対象の機種へ変更することで、以降の支払いを免除する実質的な“端末半額”施策を行ってきた。

 同社は9月9日に「半額サポート+」を発表。実質的なサービス内容は変わらないが、半額サポートの対象を同社ユーザー以外にも広げることで「通信と端末の分離」を行った。新法の穴を突いた形だ。

 KDDIも9月12日に同様のサービスを発表。これまで同社ユーザー向けに提供していた「アップグレードプログラムEX」を新法に合わせて「アップグレードプログラムDX」に変更。同社のユーザー以外でも“実質半額”の恩恵を受けられる形となった。

 NTTドコモは19年6月から「スマホおかえしプログラム」を展開。こちらは同社の回線を契約し、端末料金を36回割賦で支払うユーザーが対象。「支払いの免除対象となるのが端末価格の3分の1のため、(2万円を超える補助にならず)新法には抵触していない」(NTTドコモ広報担当者)との認識だ。

 このように、各社とも「通信と端末の分離」を進めているように見えるが、一方で“縛り”は依然としてある。両社のサービスとも「SIMロック」の解除には端末の購入から100日の経過を要する。これについてKDDIの東海林崇取締役執行役員専務は「法令や政府の方針に従ってやっている」と強調。割賦で販売しているという都合上、ユーザーが端末代金を支払わずに持ち逃げしてしまったり、紛失してしまったりした場合に備える必要もあると説明。しかし、KDDIもソフトバンクも、端末を返却した後は両社の指定する端末を新たに購入する必要があり、結局“縛り”は変わらないという課題もある。

 こうした現状に対して総務省の石田真敏総務大臣(当時)は9月10日、「通信料金と端末代金の完全分離という改正電気通信事業法の方向に沿ったものというふうに聞いております」とコメント。「SIMロックについては、解除についての一定のルールを定めておりますが、通信と端末の分離が進む中で課題がないか、有識者会議においてもご議論いただきたいと考えております」としている。

【お詫びと訂正:2019年9月12日17時13分の初出で、「NTTドコモは19年6月から『スマホおかえしプログラム』を展開。こちらは36回割賦を対象に、同社のユーザー以外にも展開しており、もともと新法には抵触しない。」と記載いたしましたが、誤りでした。同プログラムでは申し込み時に同社の回線を契約する必要があります。9月13日14時、該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。】

ITmedia ビジネスオンライン

最終更新:9/13(金) 14:10
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