ここから本文です

科学への興味・関心をはぐくむには?世界共通な子どもへの思い

9/12(木) 10:20配信

ベネッセ 教育情報サイト

全世界で、シリーズ累計7600万部という驚異的な部数を売り上げている科学まんが『Why?』 シリーズ。国境を超えて愛されている本シリーズへの思いや日本語版の出版にあたって苦労した点、また子どもの科学への興味・関心をはぐくむ環境づくりについて、『Why?』シリーズの日本語の出版社である世界文化社の井澤豊一郎さんに伺いました。

情報は絞り込みすぎず、読み方は子どもに任せる

『Why?』シリーズの特徴は、情報の密度がとても濃いこと。いろいろな知識が紙面にギュッと詰まっています。翻訳すると文字量が多くなりがちなので、いかに短い日本語で端的に表現するかが工夫のしどころです。原著を読みやすい形にして提供することがとても大事です。

一方で、どの情報を選び取るかは子どもに任せることも大切だと考えています。大人がよかれと思って情報を選別したり、完璧にお膳立てをして理解させようとするより、興味・関心を抱くきっかけをたくさん提供するだけでいいのかもしれません。最初は読みたいところだけ読んでいただければいいのです。『Why?』シリーズの息の長い人気の秘密は、密度の濃さと、あえて子ども向けにしすぎていない点にあるのではないかと思います。

実感を伴う知識はより深く残る

たとえば『サバイバルの科学』は、小学生の男の子と女の子が、サバイバルの専門家に助けられながら無人島で生き抜くお話です。飲み水を得るさまざまな方法や体温維持、食べられる小動物、鳥獣のさばき方など、自然界で生き抜くための知識が少し怖いくらいのリアリティーで描写されており、中には、「今の日本の子どもたちの生活には必要ないのでは」と思われる情報も入っています。
しかし、実際にサバイバル生活を体験することはなくても、たとえば過酷な環境で生き抜くことを強いられている難民のニュースを耳にしたとき、大きな災害に遭い不自由な避難生活を送っている方々を目にしたとき、ふとこの本で読んだ情景が浮かんで、心からの共感や問題意識が生まれることもあるかもしれません。

また、「植物にビニール袋をかぶせると水が得られる」といった知識は、飲み水を得るためでなくても、自然の中で気軽に試してみたくなります。「蒸散」という言葉を教科書で読んで暗記しているだけよりも、体験や実感を伴った知識はより深く残るのではないでしょうか。
科学への興味・関心をはぐくむには、実験や自然観察など実体験をたくさんさせてあげることが大切だと思いますが、それが難しい場合、まんがは実体験に近い共感を得やすいメディアですので、ぜひ活用していただきたいですね。

1/2ページ

最終更新:9/12(木) 10:20
ベネッセ 教育情報サイト

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事