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FATF「トラベル・ルール」遵守が仮想通貨取引所の競争優位に? ― CipherTraceやNetkiが狙う規制による需要

9/12(木) 6:00配信

CoinDesk Japan

ブロックチェーンセキュリティ大手のサイファー・トレース(CipherTrace)は、仮想通貨業界が現在直面する最も厄介な問題の1つである「新たな国際規制ガイドラインの下で、顧客に関する情報を安全に共有する方法」に対する同社の回答を明らかにした。

同社は2019年9月10日(現地時間)に、金融活動作業部会(FATF)の「トラベル・ルール」に準拠するため、ウォレット・プロバイダーおよび仮想通貨取引所向けに最終版のホワイトペーパーとオープンソースソフトウェアを公開した。

マネーロンダリングやテロ資金供与対策を専門とする政府間会合組織FATFは各国に向け、取引所とウォレット・プロバイダーに対する要求として、仮想通貨を送金する際は互いに顧客情報を渡す旨を、今年6月に勧告した。

つまり、世界中の「仮想資産サービス提供業者」(VASP)は、自社顧客だけでなく、その取引相手に関してまでも、慎重に扱うべき個人情報を保持しなくてはならないことを意味する。

FATF勧告に反対する勢力は、このような規則の実施は、せいぜい「面倒になる」だけと主張していたが、FATFを動かすことはできなかった。現在、技術ベンダーはソリューションの提供にしのぎを削っている。

サイファー・トレースのチーフ・マーケティング・オフィサーであるジョン・ジェフリーズ(John Jefferies)氏はCoinDeskに対し「業界全体で、トラベル・ルールを遵守することは事実上不可能だと述べています」と語り、こう続けた。「しかし、実際、それは可能なのです」

同氏によると、同社のトラベル・ルール情報共有アーキテクチャ(TRISA)では、取引所とウォレット・プロバイダーが決済情報を共有し、顧客確認(KYC)情報を機密性を確保しつつ交換できるようになるという。

ソフトウェアの基本バージョンとして他者も修正や変更が施せるリファレンス実装は、「それほど重くすらない」と同氏は述べており、即ち処理能力が強く求められる訳ではないという意味だ。取引所が、適切な取引相手と「話している」ことの確証が取れれば、要件の多くは満たされる。

「取引所はデータのやり取りを行っており、今回のルールは、プライバシーに関して驚きをもって受け止められたかもしれないが、否が応でも、取引所はそれをしていかなければならない」とジェフリーズ氏は述べる。しかも、機密性を保ちながらとなる。「仮にVASPであるA社とB社がデータ共有する必要がある場合、機密性が最も肝要になります」

サイファー・トレースの発表の前日には、Netkiが自社のデジタル・アイデンディティ・サービスをアップデートし、企業がFATFトラベル・ルールを遵守するのに役立てると発表している。

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最終更新:9/12(木) 6:00
CoinDesk Japan

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