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ナシ栽培授業継続難しく 金沢・鞍月小、畑が施設に

9/12(木) 1:37配信

北國新聞社

 金沢市鞍月小の児童が地元特産品のナシについて学ぶ伝統の栽培体験授業が途絶える可能性が大きくなっている。授業で利用している校下のナシ畑が年度内に始まる土地区画整理事業の対象に含まれ、医療・福祉施設などに整備される見通しであるため。児童のふるさと愛を育む特別な時間だっただけに、教職員と長く指導を続ける生産者は今後の授業の方向性を模索している。

 鞍月地区は戦前からナシの特産地で知られているが、国道8号が開通したことで区画整理が進んで住宅地が増え、農地は減少した。現在は、JA金沢中央の果樹部会員13人が南新保町の16アールで「新水」「幸水」「豊水」のほか、地元農家が開発した「鞍月」を栽培している。県産ナシ「加賀しずく」は鞍月と幸水を交配させた品種だ。

 鞍月小では地域の特色であるナシ栽培を子どもたちに知ってもらおうと、二十数年前から特別授業が行われている。同校から約1キロ離れた生産者の南保秀二さん(59)=南新保町=の畑で、毎年3年生が授粉、摘果、害虫駆除などの方法を学び、秋に収穫と保護者向けの販売会を楽しんでいる。

 ただ、新たな区画整理がスタートすると、南保さんの管理する畑もこの範囲に入ることから、授業の存続が危ぶまれることとなっている。

 南新保土地区画整理組合の設立準備委員会によると、区画整理の事業期間は2019~29年度で、19年度内に組合が発足する方向。準備委員長でもある南保さんは地区外の湖南町に所有する農地で営農は継続する予定だが、ナシ畑が校下外となることから児童の授業への協力は困難になるとみられる。

 南保さんは「体験活動がなくなるのはやむを得ないのではないか。児童のための良い方策があればいいが」と複雑な心境をのぞかせた。

 鞍月小の中越尚志校長は「代々受け継がれてきた貴重な授業で、規模を縮小させるなど何かしら形を変えて継続させたい」と話し、子どもたちが地元の産品に触れる機会を確保できないか検討を進めるとした。

 鞍月小の3年生約110人は11日、春から育ててきた「幸水」と「豊水」を収穫した。校舎に戻った後には保護者らにもぎたての果実を販売し、実りの秋を喜んだ。小松遥輝君は「ナシがこんなに大きく育ってびっくり。また収穫したい」と声を弾ませた。

北國新聞社

最終更新:9/12(木) 1:37
北國新聞社

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