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捜査尽くし子どもの権利守る 「乳幼児揺さぶり」論争、担当検事に聞く

9/13(金) 11:32配信

47NEWS

 無罪判決が続き、弁護士や研究者から信頼性に疑問の声が上がる児童虐待の「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」理論。一方、全国各地で児童虐待が深刻化していることも放置できない事実だ。捜査当局はこの現状をどう考えているのか。虐待事件を担当する大阪地検刑事部の小松武士副部長(48)がインタビューに応じた。検察がこの問題で公式取材に応じるのは初めてとみられる。(聞き手は共同通信大阪社会部=広山哲男、武田惇志)

 ▽立証の難しさ

 ―SBSも含めたAHT(虐待による頭部外傷)事件を巡っては、死因や負傷の原因が虐待ではなく、落下など事故の可能性がしばしば指摘されている。

 虐待と認められるか否かの判断は、単に(揺さぶりによって起きるとされる硬膜下血腫・眼底出血・脳浮腫の)3兆候が存在するといった画一的な視点から行うのではありません。

 たとえば被害に遭った子どもの月齢や年齢、基礎疾患の有無などを前提に、慢性的な硬膜下血腫や頭部の骨折が伴うような、以前から子どもの頭部になんらかの力が加えられていた状況があるかどうか確認します。

 その上で、死亡や重い後遺障害が残るなど重大な結果が起きた原因について、子どもに接していた容疑者の供述内容などの諸事情を踏まえて、総合考慮しています。

 家庭での軽微な事故や内因性の疾患などで起きうる可能性を否定でき、虐待と断定して間違いないか、また公判での立証に耐えうるかについて慎重に検討しています。

 ―AHT事件と他の虐待事件を比べて、捜査の考え方や手法に違いはあるか。

 AHT事件だけ特別なことをしているわけではありません。確かに医学鑑定は重要ですが、あくまで一つのファクターです。いずれの事件も収集された証拠を多角的、総合的に検討して起訴、不起訴の判断や公判での立証を行っています。

 虐待の多くは家庭内で発生するため、防犯カメラなどの客観的な証拠がなく、第三者の目撃者もいないことが多く、立証が難しい事案があります。

 特にAHT事件では被害児の身体の表面に目に見えるけがなどがない場合があります。また、被害児が死亡していたり、低年齢だったりすることが多く、被害側の供述が得られないことも多かったりします。

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最終更新:9/13(金) 14:12
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