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法王、バチカンについておさらいしよう フランシスコ法王の来日(第1部 入門編) 上野景文

9/13(金) 16:42配信

47NEWS

 6年前ローマ法王に就任した際、国際的大旋風を巻き起こしたあのフランシスコさんの来日が、この11月下旬に実現する。13日に、日本とバチカン両政府から発表があった。10年前現地に大使として派遣されていた者として、今回の訪日の成功を期待しつつ、法王来日につき、2回にわたってお話しする。 

 言うまでもなく、日本はキリスト教国ではない。その日本に、法王は何故遠路はるばる来訪するのか。と言う視点に立ち、本稿では、「法王来日の意味」を探る。ただ、その本論に入る前にどうしても触れておきたいことがある。それは、法王を巡る世界は、現代人の尺度から言うと、「不思議」な所、「異例」な所に映ると言う点だ。キリスト教に縁の薄い日本人の場合、なおさらそう言える。そこで、今回は「入門編」として、バチカンなどにまつわる「不思議」さや謎を晴らしてくれる4つの「鍵」にフォーカスする。この予備知識があると、11月の法王来日をより身近に感じていただけるものと思うし、次回お話する本論(訪日の意味)をよりすっきりご理解いただけるものと思う。

(1)   第1の「鍵」  カトリック教会の「異例」性

 まず、世界に根を張るカトリック教会の「不思議さ」について。一般論になるが、宗教団体なるものは分裂するのが「常態(普通の姿)」だ。一つには、正統性を巡るイデオロギー論争があるからであり、一つには、跡目相続を巡る人的争いがあるからだ。この2つが相まって、プロテスタントであれ、東方正教会であれ、イスラムであれ、仏教であれ、神道であれ…、宗教団体は総じて、「一体性」保持に悩み、分派分立が繰り返される。 

 これと対照的なのが、カトリック教会だ。かれらは、2000年の長きにわたり「一体性」を保持し、併せて、(国、民族、文化の違いを超えて)世界大の組織を維持している。その意味で、カトリック教会は「普通(ordinary)」でない。文字通り、「異常な(extra-ordinary)」機構だ。ただ、日本語の「異常」は否定的トーンが強いので、ここでは、「異例」と言う言い方にとどめておく。

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最終更新:9/17(火) 10:21
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