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【高校ダンス日本一】発表の場を設けよう(9月13日)

9/13(金) 9:03配信

福島民報

 郡山市の郡山商高とあさか開成高がダンス系の全国大会でそれぞれ日本一に輝いた。郡山商高チアリーディング部は八月十一日、大阪市で開かれた全国高校ダンスドリル選手権プロップ部門で、三年ぶり二度目の優勝を果たした。あさか開成高フラ・タヒチアン同好会は翌週の十八日、いわき市で開かれたフラガールズ甲子園で初めて最高賞を手にした。ともに本県の誇りであり、高校生の頑張りを心からたたえる。

 郡山商が励むダンスドリルは米国西海岸が発祥の地で、米国の高校では授業の単位に認められている。チアがよく知られ、日本では今、二百五十余の高校が取り組んでいる。郡山商は小道具を動かしながら踊るプロップ部門で優勝した。三十九人の部員は練習中、演技や構成について自分の考えを積極的に出し合い、異なる意見をまとめる点に心を砕いたという。全体の動きを動画に撮り、繰り返し見ながら向上させた。

 あさか開成の二十六人は昨年の大会で二位に終わった悔しさを胸に刻み、フラダンスを仕上げた。課題曲では出場二十六チーム中、最高点を得た。卒業した部員と保護者が付きっきりで現役生をアドバイスするのが学校の伝統だ。

 両校とも活動期間は十年に満たず、練習環境にも恵まれていない。郡山商は同窓会館の小さな部屋をけいこ場に使うが、バレエやダンスに欠かせない鏡はない。あさか開成は同好会扱いのため、校内の練習場は確保できず、近くの公民館や小学校を借りる。学校の玄関前でレッスンするときさえある。ダンスへの限りない情熱が困難を克服した姿に感動する。

 ただ、せっかく日本一になっても、実力、成果が県民や市民に広く伝わっていないのは残念だ。実演する機会が学校の発表会や文化祭、あるいは老人ホームからの招き、スポーツイベントの招待などに限られているからだ。しかも、全国大会が終わると、三年生は表舞台から退く。

 県教委や市、文化団体などは発表の場を速やかに設けるように今後、アイデアを練ってはどうか。JR駅前のような往来の多い場所で開かれる催事に招くのも一案だ。楽都を掲げる地元郡山市の発案力に、特に期待する。

 生徒自身も実演できる体験を求めている。まして、凱旋[がいせん]の場ならなおさらだ。地元の人たちの温かい拍手は何よりの祝福だし、次の活動への弾みにつながる。優れた文化活動は多くの人に共有されてこそ、いっそうの輝きを放ち、熟成する。(荒木英幸)

最終更新:9/13(金) 9:03
福島民報

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