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育休取るだけで…父親最悪のモヤモヤ「パタハラ」、なぜ起きる?  1000社の働き方知る専門家の答えは

9/15(日) 7:00配信

withnews

【#父親のモヤモヤ】

男性が育休から戻ると、仕事を減らされたり、急な配置転換を言い渡されたり……。父親の子育てをめぐり、「パタニティーハラスメント」も大きな問題になっています。なぜ、パタハラは起きてしまうのでしょうか? これまで1000社の働き方改革コンサルティングに取り組み、この問題に詳しいワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんに聞きました。(朝日新聞記者・吉田貴司)

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繰り返されるパタハラの連鎖

――なぜ、パタハラは起きるのでしょうか?

パタハラをしている上司の中には、「自分だって、これまで家族を崩壊させるような長時間労働や急な転勤を耐えてきた」という思いがあります。そして無意識に、自分もいろんなものを失ってきたからという理由でこの働き方を正当化してしまうのです。

パタハラをしている側も広い意味では被害者ということになるかもしれません。パタハラの連鎖が繰り返されているのです。

企業は、育児に熱心にかかわろうとする男性社員に理不尽な処遇でパタハラし、他の社員に見せしめをすることで、全社的に休みを言い出しづらい社風を今まで作ってきました。

そのような働き方にも耐えることで経済発展してきた歴史はたしかにあります。

1960~90年代は「人口ボーナス期」(若者が多く、高齢者の比率が小さい社会)だったため、多くの働き手が社会を支える側にあったことで、経済が爆発的に成長していきました。パタハラをしている人たちは、そのような人口構造上の経済成長と、当時の「長時間労働や転勤を耐えて働くこと」を結びつけて考えてしまっているのです。

今は少子高齢化が進み、生産年齢人口の比率が減っていく人口オーナス期(高齢者の比率が高くなり、少ない労働力で、多くの高齢者を支える社会)であり、その時代とは異なります。私たちはどんなに長時間労働に耐えたって、転勤に耐えたって企業の成長とは無関係なのです。

少ない人口で付加価値の高いものを作らなければ勝ち残れない人口オーナス期は、イノベーションを起こして経済成長することが重要です。しかし実は、イノベーションを最も起こしにくい組織というのは、一律な人材がそろっている組織なのです。

育休を取らせないように圧力をかけ、組織を均一化させてきた歴史がまさに今、イノベーションの生まれない日本社会を作ってしまいました。多様な経験を積んだ社員が組織を救うので、男性の育児休業などは、本来は組織をあげて、推進していくべきなのです。

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最終更新:9/15(日) 7:00
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