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諫早開門無効化訴訟、高裁に差し戻し 最高裁「非開門」方向性示す

9/13(金) 15:11配信

産経新聞

 国営諫早(いさはや)湾干拓事業(長崎県)をめぐり、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の無効化を国が求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は13日、開門命令を無効とした2審福岡高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。4裁判官全員一致の結論。

 排水門をめぐっては、漁獲量減少などを理由に漁業者側が求める「開門」と、塩害を懸念する営農者側が求める「非開門」という相反する司法判断が併存する「ねじれ」状態が続いてきた。判決は開門の是非に触れなかったが、開門を命じた確定判決の無効化もあり得ると示唆し、将来的には「非開門」での解決の方向性を示したといえそうだ。

 第2小法廷は、2審判決が「漁業者の共同漁業権は更新期限を過ぎたことで消滅し、開門請求権も失われた」としたことについて、「漁業権が消滅しても、同じ内容の漁業権が与えられることを前提としている」と判断。開門請求権を認め、2審判決を破棄した。

 その上で、長い時間が経過し、事情が変わったことで、漁業者が国に開門を求めることが「権利の乱用」となるかどうかなどについて、高裁でさらに審理を尽くすよう求めた。

 今回の訴訟は、確定判決後の「事情の変化」を理由に、国が開門命令に異議を申し立て、確定判決の無効化を求めたもので「請求異議訴訟」と呼ばれる。

 諫早湾干拓事業では、漁業者らが排水門の常時開門などを求めた訴訟で、佐賀地裁は平成20年6月、開門を命じ、福岡高裁も22年12月、「判決確定から3年以内」の猶予をつけた上で5年間の開門を認めた。当時の民主党政権の判断で上告が見送られ、確定した。一方、開門期限直前の25年11月には、長崎地裁が開門差し止め請求を認める仮処分を決定しており、司法判断がねじれた状態となった。

 今回の請求異議訴訟では、国側が上告棄却を求めたのに対し、漁業者側は「国が確定判決を守らないことを裁判所が認めるのであれば誰も裁判所を信用しなくなる」などとして高裁判決の破棄を訴えていた。

最終更新:9/13(金) 21:51
産経新聞

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