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「日本は憧れの国のままでいてほしいから」。ペルー生まれの社長、危機感と挑戦

9/13(金) 6:32配信

ハフポスト日本版

ペルー生まれの岡村アルベルト社長率いる「one visa(ワンビザ)」の企業理念は、「世界から国境をなくす」こと。日本で働く外国人のビザ申請支援など、海外から働きに来る人のための事業を手掛けている。

6歳で来日し、未来の可能性が広がったという岡村さん。自分のような体験を誰もができるようにと願い、「海外の方が搾取されることなく、日本に来られる仕組みを作っていかなくてはいけない」と話している。

「子どもの未来は、生まれた環境の延長線上にしか作れない」

岡村さんが「世界から、国境をなくす」を企業の理念に掲げている理由には、幼少期の体験が深く関わっている。

父親が日本人、母親がペルー人の岡村さん。ペルー南部の第二の都市、アレキパで生まれ、家族で日本へ渡った。日本に留学経験のある母親が、子どもに良い教育をと願ったからだ。最初は日本語が分からず、小学校ではいじめにもあった。しかし、ペルーに帰りたいとは思わなかったという。来日は、岡村さんにとって世界を大きく広げる体験だったからだ。

「建物が大きいとか、電気が明るいとか、そういう単純なことさえも、自分にとってはすごく大きいことでした」

大阪で暮らすようになった岡村さんは、母親に、当時ベストセラーになっていた村上龍さんの『13歳のハローワーク』(幻冬舎、2003年)を買ってもらった。日本で就くことができるあらゆる職業を、子ども向けに紹介した本だ。様々な仕事を眺め、自分の未来を想像しながら、岡村さんは、生まれた街との経済格差を痛感していた。

ペルーで暮らしていた子ども時代。漠然と、将来は自分も市場で働くか、タクシーの運転手、警察官、公務員、学校の先生になるのだろうと考えていた。

「僕の未来が広がった瞬間でした。子どもの未来は、生まれた環境の延長線上にしか作れない。だから、人間の可能性を広げる事業をしたいと思いました」

一方、小学生時代には、仲良くしていたペルー人家族が忽然と姿を消した記憶もある。

その時に両親が言った「キョーセーソーカン」という言葉の意味を知ったのは、しばらく後になってからだった。勉強をしていくうちに、強制送還された人々の中には、書類さえきちんと提出していれば、まだ日本に滞在することができた人たちがいるということも知った。

「ビザの知識さえあれば、友達の強制送還は防げたのではないか」 そう思うようになったという。

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最終更新:9/13(金) 6:32
ハフポスト日本版

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