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流行期早まるRSウイルス感染症 新生児などは重症化も

9/13(金) 12:11配信

Medical Note

風邪というと、気温が低くなり、空気が乾燥する冬に多いイメージがあると思います。子どもに多いRSウイルス感染症もそのような感染症のひとつでした。「でした」と過去形にしたのは、最近になって、このRSウイルスが流行する季節が、冬から秋、秋から夏へと、大きく様変わりしてきているからです。このRSウイルスは大人が感染しても単なる風邪で済みますが、小さい子どもや赤ちゃんにとっては命に関わることもあるのです。【藤沢市民病院臨床検査科・清水博之/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇せきと鼻水が徐々に悪化してきた生後2カ月の乳児

在胎33週、少し早く生まれたAちゃん(正期産は37~41週)。生まれた時は小さかったけれど、母乳も良く飲んで、順調に体重も増えています。生後2カ月になったある日、幼稚園に通っているお兄ちゃんが風邪をひいてしまいました。でもそのお兄ちゃん自身は、熱はなく、せきも軽く、食欲もあり、元気に遊べているのでお母さんはあまり気にしていませんでした。その数日後、今度はAちゃんがせきをしはじめて、鼻水が出てきました。徐々に症状は悪化して、母乳を飲んでいてもむせてしまい、すぐに飲みやめてしまいます。

せきと鼻水でとても苦しそうになり、ゼーゼーするようになったため、お母さんはAちゃんを小児科に受診させました。綿棒を鼻の穴に入れて、鼻水に含まれるRSウイルスを調べたところ、陽性反応が出ました。小児科の先生は「呼吸の回数が早くて、血液中の酸素の濃度も低くなっているようなので、入院した方が良いですね」と言います。単なる風邪の診療と思っていたら、Aちゃんはそのまま近くの総合病院に入院になってしまいました。

◇小さい子どもなどは重症化のハイリスク

RSウイルスは1才になるまでに50~70%以上の子どもが、2才までにはほぼすべての子どもが感染します。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は4~6日間です。熱、せき、鼻水などの風邪症状から始まり、約7割は軽い症状で済み数日間で自然に良くなる場合が多いですが、残りの3割は症状が悪化して喘鳴(ぜんめい=ゼーゼー)や呼吸困難などが出て、気管支の末端の細い部分が炎症を起こす「細気管支炎」や、肺炎となり重症化することもあります。

この症状の強さは、年齢によって大きく違います。普段健康な幼児や大人にとっては単なる鼻風邪くらいで終わりますが、1歳未満の乳児、特に新生児に加え、低出生体重や心肺に基礎疾患があるなどの子どもでは重症化するリスクが高くなるので注意が必要です。

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最終更新:9/13(金) 12:11
Medical Note

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