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なぜ今、パリで日本の「おにぎり」がトレンドになりつつあるのか?

9/13(金) 17:41配信

メシ通

──確かに、以前はそういう傾向はあったと思いますが、今は違うのでしょうか?

佐藤さん:当店も、オープン当初はサーモンとかツナマヨとか、クラシックな具が売れていました。しかし、次第に日本人でも辛いと感じるスパイシーな具や、タコの混ぜご飯を使ったおむすびが普通に売れるようになりました。白飯だけの塩むすびを好んで買うお客さまも増えましたね。
おむすび自体もローカライズせず、日本の店舗で売られている商品と何も変えていません。つまり、進出前に聞かされていたイメージと進出後、そして今では状況が随分変わっているんです。

──フランス人の「食」に対する感覚が変化しているということでしょうか?

佐藤さん:フランス人の食域、つまり口にする食べ物の種類や味覚の受け入れ範囲が、年々広がっているからだと思います。
例えば、おむすびの味を分かり始めた常連さんが、食べる前から醤油をほしがる人に「醤油を付けて食べるものではないよ」と教え始めた時、パリの人々がおむすびというものを分かってくれ始めていると感じました。

──いち早く常連のお客さんとなっているのが、ボボの人たちだと。

佐藤さん:日本に旅行に行くフランス人は多いですが、長距離フライトの海外旅行も経済的に余裕がなければ行けません。その点、ボボたちは新しいものに対して、面白がってお金を出せる余裕があります。
彼らが国内外で新しい食材や味に出会い、それを自らの生活に取り込んでいるんです。

──日本食に関して、パリの人々の舌が肥えつつあるということですね。

佐藤さん:パリ・パレロワイヤル店は海外店舗ではありますが、日本産の米を玄米のまま冷蔵コンテナで日本から運び、メーカーと開発したヨーロッパ規格に合った特別な精米機で精米して、おむすびを作っています。
フランス人の本物の日本食に対する感覚はどんどん変わってきている。ごまかしは効かないです。

──おにぎりバーでも伺ったのですが、おにぎりが注目を浴びつつあるのは、グルテンフリーやベジタリアン、ビーガンの人たちも食べられるということにも起因していますか?

佐藤さん:そうですね。ただ、グルテンフリーやベジタリアンなどの人の割合は、もちろん伸びつつありますが、割合的には消費者全体の1割に届いていません。そのため、おむすびが注目されつつあるすべての理由を、そこに求められないと思います。
個人的には、おむすびは「すし」に代わる次の日本食になりうるものだと感じています。サンドイッチのように手を汚さず、手軽に食べられてヘルシーという位置付けですね。

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最終更新:9/13(金) 17:50
メシ通

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