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【台風15号】忘れられた被災地・鋸南 連絡取れず「陸の孤島」 漁港エリアの被害深刻

9/13(金) 11:41配信

千葉日報オンライン

 千葉県内で台風15号による大規模停電や断水が続く中、安房地域での台風被害が深刻だ。特に東京湾に面している鋸南町では、多くの家屋の屋根や窓ガラスが吹き飛ぶなど深刻な被害が出ている。通信障害は今もなお続いており、町民からは「連絡が取れない」「陸の孤島だ」という切実な声が相次いでいる。

 9日に1時間最大降水量70ミリを記録し、猛烈な風が吹き荒れた同町。民家や電線の倒壊に加え、各地で倒木や土砂崩れが起き、道を遮断。避難所として町民の命を守るはずの町役場は天井が崩落した。

 特に甚大な被害を受けたのが、海に面する漁港エリア。台風の強風が、重量のある倉庫や車をも吹き飛ばした。漁船が損傷したという漁師の久保田孝男さん(61)は「ゴーという尋常ではない音がして、外に出たらけがをすると思った。こんな被害は初めて」と振り返る。

 昔ながらの民家が立ち並ぶ岩井袋地区では、道路脇にがれきや家具が積まれ、生ごみも回収されず残っていた。地域では通信障害も続いており、海士の男性(68)は「停電でコンビニやスーパーが開いてない上に、携帯で連絡も取れない。役場からの物資でしのぐしかない」と嘆いた。

 同町によると、12日現在、電力が復旧しているのは町役場周辺をはじめ町内のわずか1割程度。佐久間地区など一部地域では、ポンプによるくみ上げができず、断水状態も続く。

 同町は高齢化率が46・8%と県内で2番目に高く、停電による不安は大きい。白石治和町長は「高齢者の人々をどうフォローするかが大事。気持ちがすさまないよう、一分でも早く通電して」と要望。台風被害を受け、町は今後「非常事態」を宣言し、復興に向けた計画を立てる見込みだ。

 電力復旧の見通しが立たない中、各方面から急速に支援の輪が広がっている。友好都市の長野県辰野町や学校教育施設「鋸南自然の家」を管理する足立区から食料やブルーシートなどが届けられたほか、町民による情報発信をきっかけに個人や団体からの物資が続々と到着。住民の不安解消につながっている。町役場で物資を受け取った柴田恵美子さん(77)は「停電がどうなるか気がかりだけど、とりあえず一安心」と胸をなで下ろした。

 町はきょう13日からごみの収集を再開。町役場では引き続き食料や水、ブルーシートなどの配布や充電スペースの設置を行う。

最終更新:9/13(金) 11:41
千葉日報オンライン

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