ここから本文です

香港デモは異なる局面に突入 自由と繁栄の均衡が崩れる時

9/13(金) 18:03配信

FNN.jpプライムオンライン

香港の事態は異なる局面に

香港のデモが続いている。200万人とも言われたデモが報道された時には、香港の限られた自由を守ろうとする戦いに多くの共感が寄せられた。香港では司直の政治的中立性が疑われており、もはや市民と公的機関の間に信頼関係が成り立っていない。当初の争点であった犯罪人引渡し法案が香港の自由にとって死活的と判断され、だからこそ、ここまで運動が盛り上がった。ただ、既に事態は異なる局面に突入したと判断すべきだろう。

【画像】中国国内の報道では香港人のデモは暴徒・テロ行為と伝えられている

ひとつには、香港警察が弾圧の度合いを高めており、拘束した若者に不要な暴力を振るい、デモ隊に銃口を向ける事態に至っているからだ。信頼関係という意味で言えば、これは僅かながら存在していたデモ隊側の公権力に対する信頼が吹き飛ぶ事態である。当然、デモは過激化する。直近では、街灯を打ち壊し、地下鉄の施設や中国政府寄りと見られた企業に対する器物損壊などの行為が相次いでいる。経済への悪影響も深刻化しつつある。結果として、そのような暴力行為を是認するかどうかを巡って香港の人びとは分断されることになる。

キャリー・ラム長官が騒動を収めようとして法案の完全撤回表明という決断をしたのちも、デモ隊は民主的な選挙の実施や警察の処罰などを求めて妥協する気配を見せていない。犯罪人引渡条例に関しては、香港の人びとは、そもそも様々な理由でこの街に行き着いたいわば「事実上の難民」2世、3世で構成されているがゆえに、その危機感はよく理解できる。恵まれた国の国民のように政府の庇護を受けることができず、戦争や革命の混乱、文化大革命などの暴力から逃れてきた人びとの子孫にとって、「犯罪人の引き渡し」は切実な問題だからだ。中国政府が香港の書店主を拘束した事件も実際に発生しており、不信感は推して知るべしだ。香港政庁の幹部が法案を推し進めたプロセスにも問題があった。ただ、異例の妥協を行った香港政庁に対し、民主化要求が認められるまで終わりのない闘争を行うデモの出口は見えない。

1/3ページ

最終更新:9/13(金) 18:03
FNN.jpプライムオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事